龍馬伝 第45回「龍馬の休日」
題名だけを聞くとまるで「ローマの休日」のように聞こえてきます。おそらくスタッフが完全に狙っていたもので、オードリー役はお龍ということなんでしょうね。内容的には残念ながらローマの休日とは関係がありません。
龍馬を取り巻く激動の動きの中で、今回はふと力を抜いた内容となりました。これまで夫婦といえども完全に放置状態になっていたお龍のもとに帰ってきた龍馬ですが、そのお龍は子供たちを相手にピストルの腕前を披露しています。密かにポイントだったのは、おばちゃんという言葉に反応し、「おばちゃんじゃない、お龍だ」と訂正するのを忘れませんでした。本当にこう言ったのかどうか分かりませんが、少なくともこの時の子供は完全に怯えていました。
もう一つ、今でもありそうな場面だったのは、龍馬の朝帰りでしょう。久しぶりに帰ってきた龍馬と夫婦水入らずで過ごしたいと思うお龍は、次々とやってくる龍馬と過ごしたい人の圧力に負けてしまい、飲みに行ってきなさいと承諾します。飲みに行った先でベロンベロンになってしまった龍馬は次の朝、隣に見知らぬ女性が眠っているのに焦ってダッシュで逃げるように帰り、寝ずに起きていたお龍に謝り倒します。
ここからは完全にお龍の独壇場でした。平手でひっぱたいた後に1曲歌うように要求します。ところがとっさに歌う曲が出てこずに、慌てる龍馬。なんだか微笑ましくなると同時に、歌う曲がなければ自分の曲でも歌えばよかったのに、なんて考えてしまいます。
そんな彼らも永久の別れになってしまうので、今回は1回分を割いて十分な時間を取って二人のひとときをしっかりとおさえておきたかったのでしょう。しかし、何らかのメッセージがそこからあまり見えてこないので、「あぁ、夫婦水入らずだな」と感じるに留まってしまっているように感じました。
時代はこの時でもどんどん進み、長州と薩摩はすでに大政奉還ではなく武力で幕府を潰す方法を選ぼうとしていました。もはや龍馬が何を言っても話を聞く状況ではありません。その状況を見れば、弥太郎が考えるように戦争が起きると予想するのはごもっともでしょう。
その弥太郎は、土佐商会を辞めさせられ自分で自由に商売をするように決意します。弥太郎は商売に身分や品など関係ない、稼ぐことができる人が勝ち、そうでない人は負けるという、今では当たり前のことを述べるのです。多分この時代においてはこんな考え方はないでしょうが、きっとこういった様々な壁を乗り越えて三菱が成功する礎がこうやってできたんだなと実感します。
さて、次回はとうとう龍馬が容堂と会って土佐を大きく方向転換させようとします。この勝負がどう出るか、あと2ヶ月をどのように描いていくのかタノシミしたいと思います。
◆龍馬伝紀行◆
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