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花燃ゆ 第26回「夫の約束」

2015年7月 01日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

このドラマを見ていて常に感じるのは、文を中心に描くことによる大河ドラマ感の欠如と、歴史を中心に描くことによる主人公の存在感の欠如。そのどちらに軸足を持ってくるかというところに難しさがあると思っています。前回は池田屋事件の出来事が大きく、文の言動は久坂の死を予感させるような振る舞いがあるにとどまった印象がありますが、今回も見ている最中は数多く登場しているにも関わらず、印象として残っているのはどうしても来島又兵衛の進撃を止めることが出来なかった久坂たちの苦悩といった表舞台でした。

来島又兵衛のような自分の信念を強く持っていて、突進するような人に対して久坂のように理路整然と説得をしても残念ながら届かないことが想像は出来ていました。久坂がいうように、この戦はなんのために行うのか、長州が再び表舞台で活躍するためには、御所に進軍することはあってはならないことであると誰もが感じることなのですが、当時の長州は力でなんとかなると思っていたのかもしれません。前夜の最高会議で長州としての意志が決定された後は、久坂も決定に従い進軍を行います。

現代においても声の大きい人の意見が通るということは数多くありますが、それが死に直結するということはあり得ません。そう考えるとこの時代の人々よりもローリスクであると思われますが、当時はハイリスクであってもその結果上手くいけば世の中に英雄として名前を残すことができるというハイリターンの世界でもあります。どっちがいい世界なのかはわかりませんが。

主人公の文は夫の帰りを待つために新しい住まいを探し、杉家を出て行くことになります。その時に両親に感謝の言葉を述べながら温かいホームドラマになり涙を誘う演出でしたが、今回の流れが禁門の変の前段階という歴史の表舞台が中心であったため、唐突感が否めなく残念ながら自分は冷静に眺めていました。きっと次回以降も軸足をどこに持って行くのか難しい局面が続くと思いますが、とうとう禁門の変が起こる次回は全編で久坂の生き様を追ってもいいのではないでしょうか。

◆花燃ゆ紀行◆
京都府八幡市
 - 石清水八幡宮

花燃ゆ 第25回「風になる友」

2015年6月 21日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

時代の流れのなかで主流ではなくなってしまった長州のなかで高杉や小田村もほんの少し前までの重役から大きく後退することになります。高杉はおなじみの野山獄に、小田村は長崎に左遷させられてしまうのですが、今回はこの2人の心の持ちようには大きな差が出たように感じます。高杉は野山獄のなかで寅次郎と同じ獄に入れられながらも半分腐りかけてしまうのですが、小田村は違いました。

長崎で商人を相手に苦労しながらも常に藩のことを考え、どんな場所にいようとも自分が今すべき事を全力でするのだと断言します。この辺りの考え方は現代にも通用する話であり自分も忘れないようにしないといけないと感じました。ただ高杉も歴史上に名を残す人物だけにここで終わるわけがありません。次回以降どのように復活していくのか楽しみにしたいとおもいます。

久坂家では、久々の平穏な時間が過ぎていました。養子に来た久米次郎もはじめは寿のそばを離れたくなく、「いとまをいただきます」という置き手紙をして家出までしてしまう始末。そこで話しかけた男性、今の時代なら変質者の疑いもあるだけにドキドキしましたが、それが久坂でした。どうも妙な演出をしたものだと思ってしまいますが、家族が出会うということを示したかったのでしょう。

しかし、それも池田屋事件によって崩されてしまうことになります。京への出発の前の夜のシーンは実に10分程度にわたって文と久坂の将来の夢物語を語り合うというものでしたが、完全にこれは成し遂げられないというフラグであることは見ている者すべてが分かってしまう程でした。きっとこの辺りで涙をさそっていたのかもしれませんが、久坂もいろいろあった人なので複雑だと感じてしまった人もいるのではないでしょうか。

次回は、いよいよ久坂にとっては最後の戦いが始まる模様です。主役級が亡くなっても物語として持ちこたえることができるかどうか見て行きたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
京都府京都市
 - 池田屋騒動之址碑

花燃ゆ 第24回「母になるために」

2015年6月 14日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

前回の衝撃的な久坂玄瑞の浮気告白から1週間。我々視聴者も文も、驚きを抑えることが出来ないまま今回に突入します。そんな中久坂家にとっては、小田村の次男を養子にするという話が持ち上がります。小田村に気持ちを打ち明ける久坂ですが、どこかに文に対する後ろめたさがあるような雰囲気であり、小田村はそんな状況を知るでもなく、いつ死んでもおかしくない状況なので言いだしづらかったと理解し、自身の次男を養子とすることを認めます。

しかし結果的に、久坂は京で何の心境の変化かわかりませんが文に対して、これからは父親としての役目をしっかりと果たすことを宣言し、すっかり心を入れ替えます。これで京でお世話になった辰路さんの出番も少なくなってしまうのでしょう。途中、寿の子供の頃の苦労話などもカミングアウトされましたが、夫婦仲という綿では小田村家も久坂家も良くなったのではないでしょうか。

一方歴史上の人物に目を向けると、高杉が京に向かったことを藩としては脱藩行為とみなし、次回からおなじみの野山獄へとつながれることになります。その責任を取って小田村は長崎に向かいます。このように政治の世界でも小田村の存在感は大きく、自分の知らない長州を見た様な気がします。そういった高杉の代わりに台頭してきたのが来島又兵衛なのですが、山下真司さんが演じるだけあって、とにかく熱い男です。過去の大河ドラマでは龍馬伝で角田さんが演じたこともあるということから、そういう人が配役されるのかもしれません。

長州が向かう道は物語のなかでは、まだまだ混沌としてよく分かりませんが、有力な人物がどのように藩をひっぱて世の中をかえていくのか楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
山口県防府市
 - 防府天満宮