花燃ゆ 第38回「届かぬ思い」
大きな時代の流れのなかでは、高い志を持っていても立場の関係からそれを成し遂げることができないばかりが、犯罪者として逆に処刑されてしまう。そんな残酷な時代が明治という世の中であり、成功したものだけが取り上げるのですが、その裏にはその数を遙かにしのぐ人々の思いがあるということが今回改めて認識させられました。
知藩事となった元徳が強行したリストラに不満を持つ兵達が山口藩庁を取り囲み、その中に将来は身分も関係ない世の中で活躍したいという思いを1人の兵から聞く美和の場面は、演出としては素晴らしかったと思います。こういう歴史の表舞台には出てこないけれど、この時代の人々の夢や希望を表現することが大河ドラマの魅力の一つだと思っているので、このような演出がもっともっと出てくるといいなと感じます。
楫取は元徳の暴走を食い止めるのですが、ギリギリのところで新政府軍に鎮圧されてしまい、結果として長州の立ち位置を大きく低下させることになってしまいます。これに深く心を痛めた楫取は一旦政治の世界から姿を消すことになり、そこで次回に繋がるようなので、楽しみにしたいと思います。
◆花燃ゆ紀行◆
山口県山口市
- 脱隊諸士招魂碑