サラリーマンの4分の3が電車仮眠族
毎日の通勤でふと思うのは、席に座っている人のほとんどが眠っているということ。外国では電車の中で眠るというのはとても安心できないというところもあり、日本の治安のよさを改めて感じます。電車の中は心地よい温度で、しかもいい感じの振動が我々を眠りへと誘います。
みんな眠っているなと思っていたところ、それをしっかりと統計的に確認したのがライオンです。首都圏の20代から50代の男性サラリーマン1000人を対象として調査したところ、実に全体の4分の3に当たる75%もの人が電車の中でうたた寝をしており、平均で週に4.2回、1回当たりの平均仮眠時間は16.2分であるという調査結果を報告しています。
首都圏ですと、だいたい片道1時間程度は電車に乗っている人が多いでしょうから、その中で片道分の8分間は眠っており、往復でいうと2時間の乗車中に16分程度ということになります。電車の中で座ることができる人と座ることができない人では、睡眠時間に大きな差があるでしょうから、座ることができた人に限っていうと、実際にはもっと眠っていることになります。
仮に、1000人のうち座ることができる割合を半分とすると500人になり、残りの半分は座ることができず、睡眠時間も足をかくんとさせながら2分だけ眠ったと仮定します。すると、座ることができた人が眠っている時間は14分となり、往復でいうと28分と30分弱も眠っている計算になります。実際には、行きで座ることができる人は帰りで座れるとは限りませんから上記のような値にはなりませんが、かなりの時間、電車の中で眠っていることが分かるでしょう。
さらに寝てしまう原因というものまで調査しています。この質問にはいささか寝てしまうことをマイナスとしてとらえている印象を持ってしまいますが、結果は非常に興味深いものとなっています。
1位: その日の仕事の疲れ (44.8%)
2位: 前日の仕事の疲れ (41.6%)
3位: アルコール摂取による酔い (38.7%)
4位: 日頃から蓄積した疲れ (37.8%)
5位: 長い通勤時間による疲れ(22.0%)
ここでは、疲れた原因を細かく表現しています。自分が疲れている原因は、行きであれば前日でしょうし、帰りであればその日の疲れになるでしょう。それ以外の疲れは何によるものなのか分類することができているのはちょっと謎なのですが、疲れているから寝てしまうという結果を導きたいのだと思います。
最後に、終電で寝過ごしたことによって、タクシー代金やホテル代金として支払った代償は平均で10,900円だとする調査結果でしめています。
今回は、面白い調査結果を見ることができましたが、電車では意図的に睡眠時間として眠る人と、そのつもりはないのに眠ってしまったという人もいます。本や新聞を読みたいのに睡魔に襲われてしまい、戦いつつもその誘惑に負けてしまうほどの強さを持っているのが睡魔なのです。
調査結果では、年間でいうと60時間も眠っていると計算していますが、必ずしもこの時間が浪費しているというわけではないと思います。眠いときには一度ちょっとの時間でも眠れば頭もすっきりしますし、次の行動がしやすくなるでしょう。次の行動のための投資だと思えば、電車内の睡眠も意味があるものだと思えるのではないでしょうか。
【参考】FujiSankei Business i 2012/01/23
たった15分の早起きが夢をかなえる 頭のいい朝の習慣術 (2008/08/21) 箱田 忠昭 |