真田丸 第9回「駆引」
前回までの昌幸の調略によって信濃は大名が不在の土地になり、その土地を脅かす北条が甲斐にいる徳川へ軍勢を向けしばらくは安泰の状態になります。ここで昌幸は、小県の国衆と共同で信濃の国を治めようと画策し、室賀に働きかけを行い、結果として室賀を味方に付けることに成功します。この辺りを見る限り昌幸は完全に信濃を治める器のように見えますが、自分では信玄にはなれないと半分諦めた状態。
そこに活を入れたのが同じ国衆の出浦昌相でした。寺島進さんが素晴らしい演技をしているのですが、どこか陰を持っているような雰囲気をいつも醸し出していてイマイチ信用ならないと思っていましたが、すみませんでした。今回昌幸を諭しそれに呼応した昌幸に対して、自分が家臣として仕えると申し出る素晴らしい男でした。今後彼も含めた信濃の国衆はもの凄い強力なバックアップとして昌幸を支えてくれそうな雰囲気を感じます。
その中にあって主人公の信繁は前回の件をずっと引きずっていて、目的のためなら手段を選ばない父親に不信感を持っていました。しかし、それを諭してくれた人物もしっかりといて、それは現代語バリバリなきりではなく、静かに聞いていてくれる梅でした。
彼女は、戦に勝つことが目的ではなく、兵を失わないことが一番であるという今後も信繁の心に深く刻まれるであろう素晴らしい考え方を伝授し、それに感動した信繁は梅の手を握り・・・という展開。帰ってくると無言の潰れたまんじゅうが現実的で恐ろしさを感じます。こんなところでも現代の雰囲気を出すということは、きっときりに関してはこれからもこの路線を踏襲していくことになりそうです。
物語は終盤に昌幸の思いとは裏腹に徳川と北条が手を結ぶというあり得ない展開。真田としてはピンチが続くと思いますが、彼らならなんとか乗り切ってくれると安心しているので楽しみにしたいと思います。
◆真田丸紀行◆
長野県上田市
- 前松寺
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