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バイオ燃料の必要性

2007/05/27 Category: 環境問題

バイオ燃料

1ヘクタールの畑から収穫されるトウモロコシは、カロリー換算で1年に約30人を養える。

これに対して、同じ量のトウモロコシを自動車燃料に転換すると、1年に約2台の自動車を動かす燃料に相当するエネルギーが得られるにすぎない。

農地の使い方としていずれが合理的かもはや説明までもないだろう。

一方、環境的な評価はどうだろうか。

バイオ起源の燃料は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を出さないと評価されているが、トウモロコシからエタノールを製造するには、農作業に必要な燃料や肥料、製造工程の燃料や電力などを通じて石油の使用が不可避である。

バイオ燃料として1kgの二酸化炭素を削減する効果に対して、原料の栽培・収穫とエタノールの製造過程でそれよりも多い1.3kgの二酸化炭素を発生してしまうという効率の低い製造プロセスさえある。

このように、トウモロコシからのエタノール製造は環境対策として意味がないだけでなく、自動車が所有できる経済的富裕国(層)の人々が自動車を使い続けるために、最低限の栄養も充足できない経済的貧困国(層)の人々の生命をいっそう危険に追いやる反道徳的なテクノロジーである。

仮に日本の利害だけを考えても、石油をバイオ燃料に代替したところで輸入に依存するしかなく、安易な導入はますます地政学的リスクに巻き込まれるだけである。

根本的な解決は、自動車に依存した交通体系を転換し、「いかに化石燃料を使わないようにするか」を考えることだと思う。




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