開発に成功した青いユリとは?
青という色は周囲に多く存在していそうで、思いの外少ないようです。科学が発達した現代において、人間に作られないものはないというくらいであっても、青い合成物は長らく実現することができませんでした。
それが、青い発光ダイオードを皮切りに、植物の世界にまで実現が困難だと言われた「青い」花の研究に次々と成功するようになってきました。「青いカーネーション」は「ムーンダスト」という商品名で、「青いバラ」は「blue rose APPLAUSE」という商品名で、近年では量産化が可能な状態にまでなっています。ちなみに青いバラのお店での値段は1本2000円から3000円程度、青いカーネーションは1本400円から500円程度だといいます。
そんな青い植物の仲間にさらに、もう一つ加わることになりました。それが「青いユリ」です。
開発したのは、サントリービジネスエキスパート植物科学研究所などを中心とするグループで、これまで青い植物を開発してきた人々です。その方法は、遺伝子組み換え技術を使ったものであり、完全な青というよりも、今までの赤いユリよりも周囲が青みがかっているという表現のほうが正しいでしょう。
ユリの花の色としては、これまで白、黄、オレンジ、ピンクというような色がありますが、青は存在しませんでした。それは、青色を作るために必要な遺伝子であるフラボノイド3′,5’が存在しないことが理由でした。そこでこの青色遺伝子を別の花であるカンパニュラから持ってきて、融合させることによって、青色を実現したといいます。
おそらく青色なら何でもいいという訳ではなく、相性などの問題から数え切れないほどの青色の花と融合させてみたのでしょう。そのトライアンドエラーが実を結び、このような結果となったのだと思います。研究者の方は一重に、「青いユリが見てみたい」という好奇心と意欲から困難を乗り越えてきたものとみられます。
今回は開発に成功したというタイミングなので、まだ商品化するまでには至っていないそうで、そのめどは2018年くらいになりそうだとのこと。もう少し待っている間に次の「青い花」が何になるか想像してみるのも面白いかもしれません。
【参考】
・SUNTORY http://www.suntory.co.jp/news/2012/11421.html
・産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/120509/wec12050918590009-n1.htm
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