ねじれの発想が生むイライラ解消法
出社する際に会社のエレベータは全部で4機あるのですが、タイミング悪く2機とも行ってしまうことがあります。自分が先頭で待っていると後ろにたくさんの人たちが並び始め、結局数分のロスを生んでしまう結果となります。このとき、イライラとストレスがたまるのですが、似たような経験を誰もが持っているのではないでしょうか。
とあるテナントにおいて、エレベータに関する苦情が多く寄せられていて、それを見事に解決した人がいるといいます。この人の発想は非常に斬新であり他にも応用することができることから、ここでご紹介したいと思います。エレベータの待ち時間に人がイライラしないようにするための方法はいくつかありますが、ケースごとに解決方法を見てみます。
A.正面突破の発想:「新しいエレベーターに入れ替える」
これは、非常にわかりやすい解決方法です。速いエレベーターにすれば待ち時間そのものをなくすことができます。しかしこれを実践するためにかかるコストは莫大なものとなり、場合によってはビルの建設工事まで必要になってしまう可能性も否定できません。
B.逆転の発想:「いっそエレベーターを使わないようにすれば、苦情もなくなるのでは」
例えば、「エレベーターを全面使用禁止にする」とか、「利用者が少なくなれば混雑が減るから、テナントの一部を追い出してしまう」などが考えられますが、そもそもこのようなことはできるものなのでしょうか。必要に迫られて使っているものを使わないようにするのは、ここでは違うような気がします。
C.ねじれの発想:「エレベーターの脇に全身を映す大きな鏡を貼り付ける」
一番大事なポイントは「問題の本質」を見抜くことにあります。苦情が来る原因は実は「エレベーターが遅いこと」ではなく、「その結果、利用者がイライラさせられること」にあるのです。つまり、エレベーターはとりあえず置いといて「イライラさえ解消できればOK」という突破口を導くことができたときに、 効果的な発想が見えてくることもあります。
ここでは、鏡をつけることによってネクタイをなおしたり、化粧のチェックをすることによって、待ち時間を何もすることがないイライラ時間から、効果的に使うスキマ時間へと変化させることに成功しているのです。
このように、「正面突破の発想→逆転の発想→ねじれの発想」というように段階を踏んで検討を進めることによって、より効果的な解決方法を導くことができます。そのどの段階に答えがあるのかはやってみないとわかりませんが、多角的に見ることによって、成功への確率はぐんと高まるのです。
このような例は他にもたくさんあると思います。今発想法に関する本は数多く並んでいますが、問題の本質を見抜き、そこに対策を施すことがアイデアの一歩であることは共通しているように思えます。困ったことがあったとき、試してみると意外な結果を導くことができるかもしれません。
【参考】web R25 http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20120221-00022843-r25
R60マーケティング―「年を取った若者たち」のハートをつかむ (2008/09) 高嶋 健夫、福岡 順作 他 |
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