とうきょうスカイツリー駅になる業平橋駅の由来
2012年春に完成する東京スカイツリーの開業にあわせて、近くを走る東部伊勢崎線の「業平橋駅」が「とうきょうスカイツリー駅」という名前に変わるということが発表されました。すごくわかりやすく、東京スカイツリーに行こうという人の道しるべとして大きな効果を上げることができるでしょう。
駅名をひらがなにした理由について東武鉄道によると、漢字の東京駅や東京テレポート駅との区別や親しみやすさを考えた結果としています。これで親しみやすさを感じることができるかは謎ですが、数年もすれば当たり前のように使われるようになっていくのだと思います。
東京スカイツリー周辺には、商業施設「東京ソラマチ」、水族館、ドームシアター、オフィス施設「東京スカイツリーイーストタワー」が一手に集まる巨大スペースに変わって行くことになります。東武伊勢崎線、東京メトロ半蔵門線、都営浅草線、京成押上線の押上駅とも連絡するということなので、利便性も確実に向上していくことが予想されます。
変わりゆく時代の中で、やがては消えていく運命にある業平橋駅ですが、この駅名にはほんの少しだけ逸話があるので紹介したいと思います。
業平橋駅のそもそもの前身は、1902年に開業した吾妻橋駅です。これは、近くに掛かる隅田川の「吾妻橋」が由来なのですが、その8年後の1910年には浅草駅という名前に変わり伊勢崎線の起点となった駅なのです。1931年に伊勢崎線が現在の浅草駅へ延伸したときに業平橋駅になり今に至っています。
この業平橋という名前の由来は、近くにそのような橋があるからではなく、平安時代の六歌仙の一人である在原業平が詠んだ以下の歌
名にしおはばいざ言問はむ都鳥我がおもふ人 はありやなしやと
の中で、吾妻橋付近を詠んでいて、その吾妻橋の別称が業平橋というそうです。そのため同じ橋の名前を2度違った形で駅名に使っていたことになります。そんな古の時代を感じる駅名が時代の最先端の名前に変わるというのも、感慨深くなると共にどこか寂しい気もします。
新しいとうきょうスカイツリー駅では、こうした昔の人の思いを感じることができる何かを残しつつ、新風を入れた斬新なイメージを感じさせるものになっていって欲しいと思います。
【参考】
・時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010122700601
・wikipedia
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