構造改革の真実
郵政民営化は小泉純一郎さんと竹中平蔵さんによって2007年に成し遂げられたものですが、国民は熱狂的に自民党に声援を送り、マスコミはそれを大きく取り上げ、ワイドショー化するほどの報道がなされました。
その数年後、民主党政権になってから、かつて抵抗勢力と言われた亀井静香さんを中心とした人々によってその逆を行こうとしています。まるで当時の出来事が嘘であったかのように跡形もなく郵政官営化が進もうとしているかのように。
そんな今だからこそ、改めて当時の竹中平蔵さんはどのように考え、どのような思いから郵政民営化をしようと考えたのか自分たちは把握しておく必要があるのではないかと考え、竹中平蔵さんが当時の状況を示した「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」という本を読むことにします。
そこには、小泉内閣と共に5年5ヶ月を抵抗勢力と闘って成し遂げた不良債権処理や郵政民営化の成り立ちについて、舞台裏を明かしながら書き綴られていました。それは決してマスコミが報じていた内容と一致するものばかりではなく、思いはその逆にあるものも少なくないことが分かります。
自分たちは、マスコミによって報道される内容によって判断することがどうしても多くなります。しかし、そのマスコミは何らかのバイアスが掛かっていたり、視聴者が面白いと思うものを、本質ではないのに大きくして報道しているのだと改めて感じます。
そして反対する勢力は対案を示すことなく批判を続け、既得権益を守りたい人々はそのぬるま湯に浸かり続けるために様々な圧力を掛けます。しかし、自分たちはそれを表だって見ることができないので、マスコミに踊らされることになります。
踊らされて報道されたものを真実だと思うのも1つの手ですが、できればその真実を探求しその上で自分の力で判断したいと自分は思います。
竹中平蔵さんが正しいことを言っているのか、それとも今の政治家が正しいことを言っているのか、それは人によって見方は違うと思いますが、そのどちらの言い分をしっかりと把握した上で、評価を下す必要があるのです。本書はそのことを強く意識することができる内容といえるのではないでしょうか。
構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌 (2006/12/21) 竹中 平蔵 |
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