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日本人は人助けが苦手になったのか

2010/03/14 Category: 日記

昨日借りてきたDVDの中に「魔女の宅急便」があります。13歳の少女が魔法の修行のため黒猫のジジと共に大きな都市で成長していく宮崎駿さんの物語で、誰もが1回は見たことがあるアニメだと思います。その中で主人公のキキは、街の人々が自分に冷たいことを嘆き、それに対してパン屋のおそのさんは「大きな街だからね、いろんな人がいるよ」と慰めるシーンがあります。

◆人助けをする人が少ない
新潟青陵大学大学院の碓井真史教授によると、街の規模が大きくなるほど人を助ける行動が少なくなることが確認されているといいます。それは自分以外に助けてあげられる人が多いほど責任感が芽生えにくくなって、自分がやらなくても誰かがやってくれるだろうという心理状態になりがちになってしまうことに起因しています。まさにキキが住むと決めた街でもそのような心理状態の人が多かったことが考えられます。

経済協力開発機構(OECD)の報告書によると「困っている見知らぬ人の手助けを先月あなたはしたか?」という質問に対して、日本人は22.7%で主要38カ国中最下位だったそうです。ちなみに、アニメ中の都市は、スウェーデンのストックホルム、バルト海に浮かぶゴトランド島ヴィスビーの町がモデルになっているのですが、スウェーデンは47.6%で16位となっています。

◆人間関係が希薄に
また、OECDの別な統計によると「家族以外の人とごくたまにしか会わない」と答えた人の割合が日本は加盟30カ国中最多の15%でアメリカの3%や韓国の8%と比較して極端に高いことが分かっています。このことから、他人への関心自体が希薄になってしまっていると指摘する専門家もいます。

では、本当に日本人は他人に冷たくなってしまったのでしょうか。OECDの報告書には続きがあり、「先月、ボランティア活動をしたか?」という質問に対してYESと答えた人は25%近く存在し、38カ国中14位だったそうです。

碓井教授は、日本にもかつては人を気遣う気風があったとした上で、人助けが苦手になってしまったのは日本人という国民性ではなく、環境がそうさせているからといいます。人助けをしやすい仕組みを作ってあげることができれば、忘れていた本来の気遣う気持ちを取り戻すことができるとしているのです。

都市に住んでいると、常に周囲の目があるためやってあげたいという気持ちと共に恥ずかしいという気持ちも芽生えてしまいがちになります。人助けに恥ずかしいというのはなんだかおかしい気がしますが、人として助けるべき時にすっと行動できる人間でありたいと強く思います。そのために、他人への関心を日頃から持つように意識することが大切なのだと改めて感じます。

【参考】日経Plus1 2010/03/13

人間関係がうまくいく図解 嘘の正しい使い方―ホンネとタテマエを自在にあやつる!心理法則 人間関係がうまくいく図解 嘘の正しい使い方―ホンネとタテマエを自在にあやつる!心理法則
(2008/07)
碓井 真史

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