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こころを動かすマーケティング

2009/08/15 Category: ブックレビュー

あなたがいま一番飲みたい炭酸飲料はなんでしょうか?
あなたがいま一番飲みたい缶コーヒーはなんでしょうか?
あなたがいま一番飲みたいお茶はなんでしょうか?

これらの問いに対して、どれか一つはコカ・コーラ社の製品を挙げるのではないでしょうか。コカ・コーラを飲むのに理由などいりません。ただ飲みたいから飲む。そこにはコカ・コーラに対して自分たちがもつ確固たるブランドイメージがあったのです。

コカ・コーラは世界中に広がっていて、国連加盟国よりも多くの国で飲まれているそうです。そのコカ・コーラのブランド戦略を確立した魚谷雅彦さんという現在の日本コカ・コーラ会長がこれまで明かされることのなかったコカ・コーラのブランド戦略の考え方を示した本が「こころを動かすマーケティング」です。この本を読んでみると改めて気づかされる点が多いことに気がつくと思います。

魚谷さんは、もともとは歯磨き粉などで有名なライオンの社員でしたが、チーズのクラフト社を経てコカ・コーラ社にやってきます。会社は大きくなると余計なしがらみが多くなるものですが、魚谷さん自身の人柄もあり抜本的な改革を進めていきます。そこには自分の信念を曲げない強さを持つことが大切だと説いています。人の心を打つものは自分の強い信念と気持ちなんですよね。内容がいかに良くても気持ちが伝わらなければ意味がありません。本書で魚谷さんが言っていることとして、お客様の視点に立っているかどうかが自分の信念には必ず含まれているべきであるとあります。

それは、どの業界でも同じ統一的な考え方だと思います。お客様第一という言葉は使い古されている感じがしますが、営業部門だけでなく全社的に細部までこの考え方が徹底されているところはそんなに数多くありません。なので自分たちがそれを確実に意識することができれば大きな力となってブランド力は上がっていくのです。

本書ではその他、魚谷さんが成功させたプロモーションであるジョージアの飯島直子さんを起用したほっとするキャンペーンや、吉本芸人を起用した明日があるさキャンペーン、爽健美茶といった今では誰もが飲んでいるものの誕生秘話が紹介されていて、根底にあるお客様志向との関連性を見ることができます。また、コカ・コーラ社とその生産・販売を取り仕切るボトラー社との関係など中にいる人でないと分からない雰囲気を本書で感じることができます。

マーケティングの基本的な考え方を学ぶことができる上に、コカ・コーラという会社の一面を知ることができる読み物としても価値があるのではないでしょうか。これを読むとコカ・コーラの商品の裏に隠された想いを感じることができるので、余計ファンになってしまうかもしれません。

こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる
(2009/08/07)
魚谷 雅彦

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