通行料金よりも魅力的な街づくりを
休日1,000円という破格な高速道路料金によってドライブするモチベーションも上がり、これまで行ったこともないような場所へも行ってみようという気持ちにさせてくれるようになりました。そういう意味で大変効果のある施策であり、期間限定ではなくこれからも恒久的に続けていくべき内容だと思います。
その1,000円を下回る800円、しかも平日でも大型車でもETCを搭載している車であれば適用されるという夢のような区間が2009年8月にお目見えします。それが東京湾アクアラインです。2011年3月までの期間限定ということなのですが、これによってこれまで通行料金が高くてなんとなく遠い世界のように感じてしまっていた千葉・房総半島へ遊びに行こうという東京、神奈川の皆さんも多いのではないでしょうか。
ところが、この施策には不安な点も多いのです。それは途中にある海ほたるが買物もでき、眺めもいいというかなり魅力的なスポットであることから、ここまで行ければ十分と引き返して横浜などへ向かってしまう人も多く出るのではないかと言われているからです。
房総半島で有名な観光地として、マザー牧場、多くのゴルフ場、鴨川シーワールドといった場所が挙がります。その他にももっと多くの景勝地、観光地があると思いますがもっと訴求できる余地はあります。自然も多く残り、ハイキングをしたり温暖な気候を利用した花畑を見たり、いすみ鉄道で渓谷に行ったり、楽しく過ごせる場所はたくさんあるのではないかと思います。
建物や施設を作ることが目的なのではなく、房総半島にくればこんな楽しいことが待っているというものが必要なのです。テーマパークや各種施設だけでなく、自然観察でもいいし、カヌー、海水浴、花畑、お土産、なんでも切り口はあると思います。房総半島にしかないというオンリーワンを目指し、さらに他にもある観光であればナンバーワンを目指すことが求められます。
通行料金が800円になってお得になったからといって、いずれ廃れてしまう結果となってしまいます。人はそこに本当の価値を見いだすことができれば、多少高い値段であってもそれを払うのです。それには官民挙げて千葉県という県をより今以上に魅力的にする努力が求められるのではないでしょうか。
【参考】日本経済新聞 2009年7月28日
房総半島 2009―まるごと食材王国 (メディアパルムック パーフェクトガイド 47) (2008/12) 不明 |
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