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大学が考える「箱根駅伝」への思惑

2009/01/11 Category: 日記

今年も大熱戦のうちに終了した箱根駅伝。毎年多くのドラマがあり、視聴者から見るともはや単なる駅伝ではなくなってしまうほど、数多くの感動を与えてくれます。花の2区でのエース同士の対決、優勝候補と呼ばれる大学の陥落、山上り、山下り、シード権、途中棄権、繰り上げスタート等数え上げればきりがないくらいです。学生三大駅伝と呼ばれる出雲大学駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝のなかでも、数多くの選手が箱根への想いを一番強くコメントすることが多いくらい、箱根というものの存在の大きさを改めて感じます。

その箱根駅伝ですが、ジャーナリストの生島淳さんが面白い考察を加えています。近年駅伝界では無名な大学が数多く出場するようになり、あっという間に常連校になることも多いのですが、大学側から見ると経営計画の中に箱根駅伝が完全に組み込まれつつある実態があるというのです。

大学は、多額の強化費を費やし全国から素晴らしい選手を勧誘します。その結果、短期間で強い選手を揃え上位に食い込んでくることから、既存の伝統校も負けて入られず切磋琢磨することによって競技レベルが上がってきます。大学側がなぜそこまで「箱根駅伝」にお金を費やすのかというと、それは箱根駅伝が開催される1月2日?3日という日程が大きく影響しているといいます。

丁度この時期、大学は入学試験の出願締め切り時期に重なってきます。つまり箱根駅伝への出場が大学の宣伝となり、受験料収入の向上に直結するのです。とある大学では箱根で上位を走行した場合、受験料収入が数億円単位で増えるというのですから、ビジネスとしてはもはや無視することはできないでしょう。

しかも、箱根駅伝では日本テレビの解説、アナウンサーが2日間、11時間にもわたって学校名を連呼し新聞にも大きく掲載されます。さらに当日の視聴率は20%後半、最高では30%を超える国民的人気番組ですから、これ以上の宣伝はないといえるでしょう。それをタダでやってもらえるのです。その分の費用を投資しても十分といえると思います。
当然、大学の期待を一心に受けるのですから監督や関係者の責任も重くなります。成績次第では解雇されてしまうまさにプロスポーツ並みの厳しい状況なのです。これは、テレビ放送が始まった1987年以前にはなかったことだそうです。

大学の思惑が色々あるにせよ、大会として盛り上がり学生の競技レベルが上がるのであれば、結果的にはいい動きなのかもしれません。中には、日本で長距離走者が弱いのは箱根駅伝という中距離走で力尽きてしまう学生が多いからだと指摘する人もいますが、逆に箱根がなかったら走ることはなかったという人の発掘や、箱根から先は完全に本人の努力次第であることを考慮すると、自分はこの大会は大きな意味があると思っています。

また、箱根駅伝には登場できなかった選手達の多くのエピソードや先人がつないできた大切なたすきが受け継がれています。その一つ一つを知ることができたとき、箱根の魅了は一段と高まっていくのです。今年は東洋大学が初優勝しましたが、来年は新たな戦いが待っていることでしょう。一箱根ファンとしては、今から来年の戦いが楽しみで仕方ありません。

【参考】be on Saturday 1月10日

サッポロ生ビール黒ラベル「箱根駅伝缶」

「箱根駅伝」―不可能に挑んだ男たち 「箱根駅伝」―不可能に挑んだ男たち
(2007/12)
原島 由美子

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