ジャンボタニシに学ぶ外来生物駆除大作戦
近年、日本各地で外来生物が繁殖しすぎて、日本古来の土着生物や農業、漁業への被害をもたらすようになってしまう出来事が多発しています。
元々は日本にはいなかった生物なので、何ら形で日本に持ち込まれれたものなんですが、輸入船に付着していたという回避できない事象ならまだしも、ペットとして個人が持ち込んだものをが繁殖した、害虫駆除のため海外から輸入し、それが予想以上に繁殖しすぎてしまった、といった話を聞くと本当は人間に問題があったんだと改めて悲しい気持ちになります。
そんな外来生物の一つ「ジャンボタニシ」もそんな仲間で、5年ほど前に被害が出始めました。被害内容は、稲穂を食べてしまうというもので、昨年1年間で被害に遭った田は約4・2ヘクタールで、うち約1・1ヘクタールは収量が3割以下に激減させるほどの驚異的な繁殖力を誇っていました。
この問題に対して画期的な対策が岐阜県で始まりました。それは、住民が捕獲したタニシを町が買い上げる助成制度で、全国的にも珍しい試みだそうです。金額はバケツ1杯(5リットル)で300円で、回収したタニシは町が処分するそうです。
これまで捕獲量は5リットルバケツで1300杯分にも及び、農家からは今年はほとんど被害がないと喜びの声も聞かれています。この方法ですと、基本的で誰も困らずに環境にも優しくみんなが納得して、駆除することができることが利点といえると思います。
そして、この方法は全国の同様の事象に悩んでいる自治体でも応用することができる仕組みだと思います。ブラックバスや藻の異常繁殖、そして毒性の強いクモや、スズメバチなど人間に被害を与えるものなど、その応用範囲は多岐にわたると思います。
住民が自分たちの町を自分たちのお金で、みんなで守るという大きなスローガンを掲げることができ、税金の使い方としてもかなり納得感があるのではないでしょうか。
別にお金ではなくても、何らかの行政サービスや地域通貨との交換など、様々なメリットがあると思うので、全国の外来生物にお悩みの自治体の方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
【参考】Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080819-00000013-cnc-l21
外来生物のリスク管理と有効利用 (シリーズ21世紀の農学) (2008/04/03) 日本農学会 |
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