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よみがえれ!水と緑と風の回廊

2008/08/11 Category: 環境問題

北京の街は近年急速に発展しました。それと共に徐々に問題になってきたのがヒートアイランド現象です。数年前までの北京では中心部がサーモグラフィーで真っ赤になるほどの状況でした。

その状況が一変したのはオリンピック誘致です。これによって北京市内の40%を緑化する計画を大々的に推進し、その結果街路樹とグリーンベルトによる風の道を作り出しています。

北京の街の中心部にある皇城根遺跡公園はヒートアイランド地域の中心にあって、平均1度、最大で2度近くも温度を下げるのに貢献しています。このように街の中心部に緑化公園を作ることによってその効果を上げることができるのです。

今、中国ではさらなる計画が進められています。それは、緑化を通して市街地と農村をつなぎ、空気の流れを作ろうとするものです。通風道廊と呼ばれ、夜に冷房がなくても風の道によって森から涼しい風を呼び込もうとしているのです。

次のオリンピック開催都市であるロンドンでも、ヒートアイランドが問題になっていたのですが、テムズ川を中心とした緑地計画が進んでいます。このように、水辺を再生することがヒートアイランド対策の有効な対策として認知されているのです。

一方、8年後のオリンピック開催を目指す東京では、川や海、そして現在の緑地をうまく使ったヒートアイランド対策が進められています。

その東京の中心、日本橋ではEM団子という乳酸菌を中心とする物質であるEM菌から成り立っている団子状のものを、日本橋川から投げ入れて川の浄化をしようとしている地元の老舗企業の人たちもいます。この効果もあってか、日本橋川にはハゼやススキなども戻ってくるようになりました。

東京の都心部分は、東京オリンピック開催に伴って用地買収の必要がないお堀や川の上に多くの高速道路が突貫工事で建設されました。その結果、川の上に流れていた風の道を遮る結果をもたらしてしまったのです。

今、高速道路を地下に埋めることによって、日本橋川を風の道として再生させ、ヒートアイランド対策を行う動きが出ています。高架道路がなければ、直射日光が当たるにも関わらず温度が一日を通して低いことが分りました。これは、川下の冷たい風が吹き込んでいることにより実現していると考えられています。

このように高速道路を地下にすることによって、川が風の回廊となって東京の中心部の隅々まで温度を下げることができるのです。

日本橋川の他に、東京の中心部に大きな緑化された場所があります。それは皇居です。皇居は周辺よりも気温が平均2.8度で低いことがわかりました。夜になると皇居の冷気は300m周囲の付近ににじみ出していきます。しかし、あの大きさにも関わらず300mしか広がらないのは、お堀の影響がありました。お堀の水は流れがないので、夜になっても水の温度が下がりません。その結果熱のバリアができてしまっているのです。そこで、お堀の水温を下げるため、水を循環させる作戦が検討されています。

このように、東京は今、うまく既存の環境を使うことによって、風の回廊を復活させ涼しい街作りを始めています。どれくらい時間がかかるのかは分りませんが、自然とうまくつきあえる街だけが、本当の住みよい街になっていくんですよね。

かつて江戸は、水路が張り巡らされた水の都でした。日本橋と皇居という2つの江戸からの場所がこれからの東京の救世主になるのです。

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