篤姫 第30回「将軍の母」
今回まず感じたのは、天璋院を演じる宮崎あおいのメークが前回よりも確実に白くなっており、余計歳をとったことが強調されていたことです。なんせ、このままずっとこの人で行くんですから、この先はもっともっとすごいメークが登場するんだと思いますが、まずは今回はその第一歩をかいま見ることができました。
世の中は、慶福が14代将軍家茂となり、その大老である井伊直弼による有名な安政の大獄が猛威をふるっています時代。この施策を行っている井伊のなんか恍惚な表情が何とも気になるところです。
当時の薩摩藩などの革新派が、その後の時代の中心になってきたので、井伊による安政の大獄が悪政だという風潮がありがちですが、今回改めて井伊の発言を聞いてみると、納得できる部分もあるんですよね。
幕府による政治が当然であった時代に、干渉する朝廷やその付近の人々は、幕府に近いものにとっては幕府をないがしろにする行為そのものであり、厳しく弾圧したくもあります。
しかし、もはや時代はそれを許さなかったことを見誤ってしまった井伊が最後には、ご存じの結末を迎えてしまうんです。時代の流れは一人で作るものではなく、大きな流れが既にあることを教えてくれる出来事だったんじゃないでしょうか。
今回のポイントの一つとして、忘れてはいけないのが西郷吉之助の海への身投げでしょう。京を追われた西郷と月照は薩摩に逃れますが、すでに藩の実権を掌握していた斉興は二人を捕らえてしまいます。久光って有名な大名ですが、ここまで実権がなかったんでしょうか。
捕らわれた西郷達を逃がそうと帯刀と大久保が尽力するんですが、西郷達は帯刀らに迷惑がかからないようにと海に身を投げてしまいます。その結果生き残ったのは西郷だけ。ここに時代の運命を感じます。これから一度死んだ身として、悔いの残らないような一生を全うしてくれるでしょう。こうなった人は強いですよね。
今週最後は幾島の大奥を去る発言で終わり、来週はそれがメインっぽいです。於一を将軍家へ嫁がせるためにお世話役に就いた幾島の最後は時一刻と迫っているのです。初瀬といい今までの仲間がこうやって去っていくのは悲しいものです。
幾島のために1回を丸ごと使うなんて、破格の待遇ではありますがどうなっていくのかが楽しみです。
天璋院篤姫のすべて (2007/10) 芳 即正 |
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