素敵な宇宙船地球号 ?讃岐うどんに迫る危機?
香川県内には、実に900以上のうどん屋さんがある。自分も以前にブログで書いたようにその麺、味は本当においしい。
そのうどん屋さんに逆風が吹いている。その要因は以下の3つ。
1. 原料の値段が上昇
2. 四国の水不足
3. 排水の汚染疑惑
1. 原料の値段が上昇
原料の小麦粉が原因で値上がりせざるを得ない状況に陥っている。県内の約9割がオーストラリアの小麦を使用しているのだが、その生産量が激減している。その結果、値段が上がってしまい、4月には60円、11月には150円以上値上げを予定している。
オーストラリアで何が起こっているのか。西オーストラリア州は小麦の一大生産地でそのほとんどは日本へ輸出されている。近年、湖が干上がってしまうほどの100年に一度という大干ばつに襲われている。その湖の一つであるウエンドリー湖では、シドニーオリンピックではボート競技も行われたにもかかわらず、今では完全に干上がってしまっている。これはエルニーニョ現象により、上昇気流が発生、オーストラリア上空に下降気流が起こり、雲がオーストラリアでできにくい状況となってしまったために起こったものであると考えられている。
この結果、例年の4割以下に生産量が激減してしまった。オーストラリア以外から輸入すれば?という疑問が生じるかもしれない。しかし、オーストラリアの小麦はうどんに適するよう開発し、進歩させ続けたため、もはや外国の小麦を使用することは日本のうどん業者にとってできないものとなっているため厳しい。コシを生む小麦は、タンパク質とデンプンの割合が重要。タンパク質が多くなりすぎると、麺が固くなりうどんとしては利用できなくなる。
2. 四国の水不足
四国でも深刻な水不足に陥っている。早明浦ダムも貯水率が下がり、給水制限となるときもある。うどんを作るには多くの水を使用するため、大打撃となっている。
3. 排水の汚染疑惑
ゆで汁汚染疑惑も出てきている。デンプンを多く含む排水が瀬戸内海などの海、河川を汚染すると指摘する人たちが現れてきている。個人経営が多いため何百万円もする排水装置を入れることは困難であるため大きな打撃となっている。
食糧自給率が半分もない日本で住む以上、地球で起こっている干ばつ、温暖化等の環境問題は必ず自分たちの首を絞める問題に発展するという教訓を教えてもらった番組といえるだろう。
既に、トウモロコシなども値上がりをしていて、それを原料とするマヨネーズなど様々な製品も値上がりしていると聞く。
では、そのために自分たちに何ができるだろう。飽食の時代にあって、食糧自給率を自分たちで上げることは事実上困難である現在、なぜ外国で作物を作れなくなってしまっているのかを考える必要があると思う。
そのとき、必ず行き当たるのが温暖化の問題だ。それぞれの立場でこの状況を救うことができると思う。商社に勤める方であれば大規模かんがい事業を興す、海水の淡水化事業を興す等。間違っても、バイオ燃料と称してトウモロコシを作成するといった安易な考えをしないよう気をつけることだ。バイオ燃料はその生産量が安定しないため、干ばつなどでエネルギーが枯渇する危険性があり、さらに食料作物の作付面積が激減する危険性をはらんでいる。
個人レベルでは、電気をこまめに消す、割り箸を使用しないようにする、公共交通を使う等があるだろう。大切なのは、そのような現実があるということをまずは知ること、そこから始まるんだと思う。
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