最難関親知らず 抜歯大作戦
先月、突然の奥歯の激痛で治療した部分の歯が痛みだしたのかと思い、かかりつけの歯医者に行ってレントゲンを撮ってみると、左下の一番奥に真横になった薄い影が。
もしや、これは・・・・
言って欲しくないセリフを歯医者さんは事も無げに告げます。「あぁ、これは親知らずですね。」
全部取っていたと思い込んでいた親知らずがまだ眠っていました。最後の「奴」は今まで肉の下で静かに眠っていたのですが、何らの拍子に周囲を覆っていた膜が破れてしまい、細菌が入り込んで歯を溶かし始めてしまった結果、隙間ができてきてしまいそこにばい菌が入り込んで炎症を起こしてしまっていたといいます。
このまま残しておいてもいいことはないので、とっとと取ってしまおうと提案する歯医者さん。たしかにそうなんですが、続く説明に一気にびびります。それは治療の仕方でした。
真横に生えている下顎水平埋伏智歯という名前の親知らずは一番難しく腫れや痛みが親知らずの抜歯のなかで一番大きいのです。さらにその治療方法は以下のようになるといいます。
1. 歯を覆っている肉を切って歯が見えるようにする
2. 真横になった歯は先端部分しか見えていないので、先端部分の歯を縦に割る
3. 奥に埋まった歯を割りながら取り出していく。場合によってはあごの骨を削ることもある
4. 最後に縫い合わせておしまい
何となくイメージが湧いたのですが、余計怖いです。大の大人がビクビクするのもおかしいですが、治療後はぱんぱんに腫れることと、痛みがあると言われれば怖くもなります。
その日は、とりあえず炎症止めの薬をもらって帰宅。決戦は1週間後となりました。
そしてとうとうその日がやってきました。
朝から何となく憂鬱で、せめて最後の晩餐くらいは豪勢にいこうと、昼食はCoCo壱番屋のロースカツカレー大盛りを食べて、万全の体制で歯医者へ向かいます。
そして、静かにその戦いは始まりました。
まずは、麻酔です。
先生「多分これが一番痛いと思いますよ。痛かったら、左手を挙げて下さいね」
自分「はひ」(すでにちゃんと話せない)
(チクっ)
自分(いたぁーーーっ!でもこれでいきなり左手を挙げたら、意気地無しって思われるだろうな。我慢しよう)
(チクっ)
自分(えっ?まだ打つの?何本打つつもりだ)
先生「次は、ベロ下です。これ痛いけど我慢してね」
(チクっ)
自分(えべぇ!今まで一番痛い!左手挙げようかな。ここは挙げていい場面だよね。)
ところが、先生が覆い被さっていて左手がブロックかけられてます。痛いなんて言うなというメッセージを感じ取った自分は涙目になりながら、我慢することに。
ここで一度うがいをして。しばらく麻酔が効くのを待つことになります。次第に感覚が麻痺してきて、唇が変な感じになっていきます。
時間にして5分程度。とうとう抜歯体制が確立します。では始めますという一言で作業は始まりました。ここからはあまり感覚がないので、聞こえたり感じたりしたものが中心になります。
まずは、肉を切っているのだと思いますが、麻酔は完璧で全然痛くありません。ものの数分で作業は完了したようです。
そして、突然歯をグイグイと押す作業が始まります。おそらく縦に歯を切っていくのでしょう。他のWebサイトなどをみると金槌みたいなのでガンガン叩くという人もいたみたいですが、今回はグイグイと置いているイメージ。
その押しに負けないぞと全く意味のない反抗をして上に力を入れます。こんなので歯が切れるんだなと思っていたら、実はそうではないようで、次にウィーーンと機械で切り始めます。
あごの付近に猛烈に振動が来て、なんだか自分は凄いことされてんだなぁと感じ、早く終わらないかなと思い始めます。ただしこの振動が激しく恐怖感だけは抜群に増長されるので、このまま逃げちゃうっていう手もあるかも(絶対にない・・・)なんて意味不明なことを考えてしまいます。
しばらくすると、縦に割る作業は完了したようで、次に奥に眠っている歯を取り除くようです。今度はペンチみたいなので、引っ張り出している様子がわかります。途中ミシミシというやばそうな音がしたかと思うと、思いの外さくっととれたみたいです。
今回はあごの骨をけずらなかったみたいです。(裏でやっていたかもしれませんが、全然分かりませんでした)自分の場合は、思いの外キレイに取れたそうです。
ここで先生が「歯はとれましたよ。これから膿を取っていきますね」と説明してくれます。親知らずの周りで炎症を引き起こしていた原因である膿が結構あるそうで、それをガリガリと取り始めます。素人は余計な心配はしなくていいにも関わらず、近くに神経があるということだったので、あんまりやると神経を傷つけないか心配だったのですが、無事に完了。
最後は傷口を縫っていく作業です。糸の感触を感じながら、しばらく待っていると縫い終わったようで、脱脂綿をかみしめて血が止ったら終わり。時間にして50分程度の治療でした。かかった料金は4000円ちょっと。思いの外安く済みました。
治療後は、腫れによって唾を飲み込むときに喉に痛みがでることと、血の味をしばらく感じるという症状を説明してくれ、それもしばらくしたら治るとのこと。
帰宅してみると、しばらくは麻酔が効いているので全然痛くないのですが、以前これで気をよくしてモリモリ食べて誤って自分の唇まで食べてしまい、麻酔が切れてからそっちの痛みで死にそうになったので、今回は何も食べずにじっとしていると、3時間後くらいに徐々に痛みが戻ってきます。
痛いのは嫌で我慢できない根性無しなので、すぐにもらったロキソニンを飲むことにします。8時間あけるように書いてありますが、1錠で最低4時間、2錠で最低5,6時間あければいいということだったので、そこから痛みを感じ始めると4時間おきに2回程度飲んで就寝できました。
翌日は、あり得ないくらいほっぺたが腫れていて、子供は朝から「ジョリジョリ」とニコニコしながら触って痛い思いをするし、奥さんは「おたふく風邪みたい」と爆笑して気持ち悪がるしで大変でしたが、痛みは引いてきていてこのまま良くなってくれればと思います。
今は、大きく口が開かないのでパンも小さくしないと食べられませんし、あまり噛むことなく飲み込むしかありません。食べたいものもあまり食べられないので、ウィダーインゼリーを大量に購入して愛飲しています。キムタクもびっくりの量を飲んでいると思います。また、言われていた喉の痛みが出ています。
なんにせよ、これで親知らずの痛みは一生感じなくていいと思うとなんだか嬉しくなりました。どんなに怖いものでもいつかはちゃんと終わって、やってよかったと思えるものなんですよね。
◆関連する記事◆