メイドイン銀座の米作り
ここは銀座の中心部。
紙パルプ会館の屋上には10万匹ものミツバチがいます。これは、銀座ミツバチプロジェクトによるもので、今年もミツバチたちは元気に銀座を飛び回っています。昨年は、430キロものハチミツをあつめることができました。
2007年に立ち上げた銀座グリーンプロジェクトは2年目を迎えました。初めての年は、銀座松屋の屋上を屋上緑化の達人である眞崎建次さんが開発した特別な土のおかげで、たった10cmの土でも大規模な農作物の耕作が可能となり、その結果多くの作物を収穫することができました。
今年は、清酒会社の白鶴酒造が新たに銀座グリーンプロジェクトに加わることになり、60?70平方メートルの田んぼを屋上に作れないかという話を眞?さんに持ちかけました。
白鶴酒造の責任者は、小田朝水さん。
昨年、銀座酒造りを副社長から指示を受け、米造りをプランターで成功させ、銀座白鶴錦で40リットルのお酒を造りました。今年はその倍を作る夢を持っています。
田んぼを作るのに使用する土は、ルーフソイルといって酸素の含有量が多いのが特徴です。根が通常のおよそ1.5倍増加するため10センチの土でも立派な田んぼができるのです。
銀座における屋上緑化は、8年間で1.3倍にしか増えていないのが現状です。それはなかなかスペースがないためなんですが、それでも住民の方が街路にある花壇を一生懸命お世話をしてくれていて、地道ではありますが緑が生い茂っています。
銀座で屋上緑化が可能な場所が全て緑で覆われれば、気温が最大2度下がると言われています。さらに芝生よりも田んぼや野菜畑の方がヒートアイランドを抑えられると言います。それは気化熱が多く日陰も多いため、芝生よりも冷却効果が高いためで、芝生よりも3度も低くなるのです。
白鶴酒造の屋上にある田んぼでは、イチモンジセセリの幼虫も稲穂に住み着き始めました。稲穂に害を与えるのですが、無農薬栽培の田んぼにはよく発生するそうです。東京農業大学の先生によると、このイチモンジセセリの幼虫によって、今後ビルの屋上を中心とした生態系がもっともっと豊になるかもしれないと期待を寄せています。幼虫は、地道に取り除くしかなさそうです。
2008年9月。白鶴酒造の屋上にはコメの花が満開です。ミツバチたちも大忙しです。これから収穫となるわけですが、豊作になるにせよ、そうでないにせよ、銀座の街がこうやって少しずつ緑のジュータンに包まれ、少しずつ冷えていくのであれば、それはすごく素敵なことだと思います。
白鶴酒造にとっても、屋上で取れる白鶴錦の量以上の価値を得ることができるのです。他の企業も、このことから生産性だけで追い求めるのではなく、それ以上に得ることができる大きなものを重要視し、グリーンプロジェクトに参加して欲しいですね。
【参考】素敵な宇宙船地球号 9月28日
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