あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように


あしたまにあーな > 環境問題 > フードバンクの挑戦


フードバンクの挑戦

2008/01/14 Category: 環境問題

弁当廃棄

昨年は、食品会社の謝罪会見が相次いだ年でした。
そのほとんどが賞味期限の偽装問題。

今、食の世界には深刻な問題が数多く内在しています。

例えば、コンビニに置かれている弁当。
店員さんの動きを見ていると分かりますが、新しい弁当が搬入される度に古いものが次々とかごに入れられ、廃棄処分になっていきます。コンビニでは、賞味期限や消費期限とは別に独自に販売期限を設けていて、販売をやめているのです。これは買ったお客さまがすぐに食べないことを想定してのこと。

このような食料が廃棄される量は、家庭や企業から年間2320万トンも廃棄されています。なかには箱に傷が付いているだけで廃棄処分になっているものもあったりするのです。

その状況を憂いて、立ち上がった人たちがいます。
それが、NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンのチャールズ・マクジルトンさん。ここは、日本で初めてのフードバンクを手がける団体です。フードバンクとは、賞味期限が来ていないものを引き取り、必要な人に行き渡らせるようにする仕組みのことです。

今まで企業は廃棄していたものを、その中間にはいり困っている人に行き渡らせることができるようになりました。現在セカンドハーベスト・ジャパンは国内40社と提携しています。企業としても、廃棄するにもコストがかかるため、引き取ってもらえると嬉しいのでWin-Winの関係を築くことができます。

セカンドハーベスト・ジャパンは、児童養護施設や各地のホームレスへ食料を届けています。

チャールズさんは、隅田川のほとりでホームレスになって、実際に自分に何ができるかを悩み続けた。その結果逆に自分が助けられた経験から、ココロを学んだといいます。それが、セカンドハーベスト・ジャパンの土台になっているのです。

セカンドハーベスト・ジャパンには、企業からだけでなくフードバンクの存在を知った全国の人たちからも食品が送られてきます。ただし、彼らだけではその活動には限界があり、もっと大きなレベルで実施する必要があるのです。

そういう流れが徐々に起き始めています。
政府もエコの流れから廃棄食品の実態に気付きはじめ、対策に取りかかっています。

さらにコンビニのミニストップは、エコプロダクツ2007で、これまで廃棄処理していた食べ物を飼料として豚に食べさせて、それで育った豚の肉を食べさせてくれるというブースを出したのです。

これも、捨てる食べ物を少しでも有効に利用したいとう小さな一歩だと思います。

格差が広がった現代において、どんどん捨ててしまう社会とは裏腹にたった1個のおにぎりが食べられずに餓死してしまう人もいるのです。

確かに食の安全に対する目が厳しい日本では、このように食料を廃棄してしまう状況を仕方ないという意見もあると思いますが、ただ捨てるのではなくそれをうまく循環して、多くの人が恩恵を享受できる世界を構築する素晴らしい取り組みだと思います。

今回はミニストップを例に挙げましたが、このような取り組みはCSR(企業の社会的責任)という観点において、さらに企業価値を高めるという観点からも非常に有用であり、消費者はその取り組みを監視することによって、この流れを自分たちの手で進めることができるのではないでしょうか。




コメント

*



トラックバックURL