水素エネルギーが未来を救う
「菊川怜 アイスランドから白神へ!?エコと出会いと冒険の旅?」では、菊川怜が1998年に水素立国宣言をしたアイスランドの取り組みをリポートし、水素社会の可能性や日本が学ぶべきことを探る。
世界の中でもアイスランドは、下から3番目の二酸化炭素排出国にもかかわらず、アメリカ、ロシア、日本といった排出国大国に問題提起をしている。
アイスランドが目指しているのは、50年後までにエネルギー消費による二酸化炭素の排出量をゼロにすること。
その第1弾として、4年前「水素スタンド」を開設し、排気ガスではなく水蒸気を出す「水素バス」を走らせた。
7割が地熱などの自然エネルギーで3割を石油エネルギーだが、その石油エネルギーを2050年までにすべてなくすことを目標にしてがんばっている。
水素エネルギーのもとは、文字通り「水素」
水素単体では地球にはほとんどなく、化合物として存在している。その中で有名なのが水だ。水は化学式でいうとH2Oで、水素と酸素の化合物でこの水を電気分解することによって水素を取り出すことができる。
この水素を燃やしたとしても。二酸化炭素は出ず再び水ができる。このようにかなりクリーンなエネルギーといえるのだ。
アイスランドでは、国の自然を守ることに尽力した元大統領、水素立国を推し進めた元産業大臣、水素を使った生活スタイルを提案した女子高校生など、さまざまな女性たちの存在があり、彼女たちの活動や水素利用の実態、地熱や水力発電を利用した生活を送っている。
水素エネルギーは、農作物エネルギーと違って農作物の価格高騰による他の産業への影響や、作付け面積増加のために森林伐採をするといったような2次的な問題になりにくいすばらしい考え方だと思う。
今後は以下の点について課題を整理し、一般的な普及に向けて行く必要がある。
<課題>
・コストの削減
水素を動力源とする車は現在1億円程度するものもあり、非常にコストがかかっている。
普及に向けてはいかに安価で今よりもお得に使うことができるかどうかが重要なキーポイントだ。
・水素の安定維持
水素は、燃えやすい気体で一度燃えてしまうと大爆発を起こしてしまう。
最も軽い機体でもあり作成した後の気体を危険性がないような形でいかに保持しておくかが大切だ。
例えば、液体水素にして維持する方法もあるだろう。
・電気分解するための電気の確保
電気分解するためには電気が必要で、この電気を発生させるために火力発電などの化石燃料を使用していては本末転倒な話になってしまう。例えば、水素エネルギーをつかってさらなる水素エネルギーを使うといったような循環型エネルギーを達成しなくてはならないだろう。
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