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太陽熱を使った冷暖房の実用化に向けて

2009/06/20 Category: 環境問題

太陽熱パネル

自然エネルギーを使った発電が国家や企業だけでなく家庭レベルにまで普及し始めています。国もこうした施策に対して補助金を出すなど後押しをしてくれていて、これからますますの普及が期待されています。

現在日本で実用化されている自然エネルギーは、風力、地熱、潮汐力、太陽光などがありますが、ここにもう一つ巨大な動力源が登場しそうです。それが「太陽熱」です。太陽光とは微妙に違う太陽熱の利用は実は世界的に見るとかなりポピュラーなものとして認知されているといいます。

この太陽熱を使った「高効率ソーラー空調システム」を実用化すべく動き出したのが東京ガスです。東京ガスが商売道具であるガスを利用するのではなく自然源を使って動力を作り出す研究を行っていたことに、新しい環境に優しいエネルギー源へシフトするんだという企業としての覚悟を感じます。

太陽熱によって、暖房から冷房までをまかなうことができます。暖房のイメージは比較的しやすく、太陽熱によって温められた水をそのまま循環させることによって室内に暖かくします。それに対して冷房にするのは一工夫が必要です。水は蒸発する際に熱を奪う性質があります。

例えば、真夏に庭先に水を撒くと温度が下がる、汗をかいたときに体温が下がる、お風呂上がりに濡れたたま出ると寒いというのは水が蒸発した際にくっついていた物から熱が奪われたことよるものです。これを利用して、蒸発した物体の近くに水を置いておくことによって、水から熱が奪われ冷水となるのです。この冷水が室内を流れることによって部屋を冷やすことができます。

この高効率ソーラー空調システムが実用化されることで、これまでのガスを使った冷房機器に比べて、ガス消費量は約2割、二酸化炭素排出量は18%それぞれ削減できるといいます。さらに太陽熱は、様々な使い道がある電気を作ることができる太陽光発電に比べて、用途は限られるのですが、太陽エネルギーの変換効率は3倍以上にもなるということで、省スペースで大きなエネルギーとなりそうです。

このような選択肢がどんどん増え、利用者が手軽に利用用途によって使い分けられる環境が整ったとき、政府が目指す2020年までに温室効果ガス排出を2005年比で15%削減することも夢ではなく現実となると思います。

【参考】東京ガス
http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20090209-01.html


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