残り時間が分かるとやる気がでる
いつ来るか分からない終わりを待ち続けることは精神的にあまりいいものではありません。それを防止しようと横断歩道にはあとどのくらいで青信号に変わるかが示されたり、待ち時間をある程度正確に把握するために病院の待合時間を把握することができるようなシステムが導入されたりしています。
そんな残り時間が気になるのは授業も同じでしょう。授業中はいつでも集中すべきなのは分かっているのですが、人間の集中力は20分とも言われていることから、なかなか持続させることができません。
そんな授業中に残り時間を示すことによって生徒の疲労感が軽くなり、やる気が少し湧いてくるという研究結果を理化学研究所の水野敬さんを中心とするグループが明らかにしました。
限られた時間で何らかの作業をする場合、残り時間を示すことは有効であり、今後学校の授業だけでなく病院のリハビリなどで、集中力が必要なタイミングで応用することができるのではないかと期待されています。
実験は、被験者に授業を受けてもらい、脳をMRIで調査を行うことによって、脳の中で意欲を感じることのできる「即坐核」に流れる血流量の違いを調べました。結果、残り時間を表示した方が、血流の動きが活発になり、疲れを感じる部分の活動が抑えられたというのです。
これは感覚的にも理解しやすいものだと思います。あと10分で終わると分かっていれば、それに向け心構えをすることもでき、あとちょっと頑張ってみようと思えると思います。それが分からないと、どこで自分を盛り上げていけばいいのか分からないので、相対的に散漫になってくるのではないでしょうか。
子供に対する勉強時間なども、残り時間を提示すれば、より高い効果を得ることができることが期待されます。本当は、「知らず知らずのうちにこんなに時間が過ぎていた」と思えるほどがいいのですが・・・
【参考】日本経済新聞 2012/06/07
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