「お日さまのにおい」の正体
いいお天気の日に外で干した後の洗濯物に顔を埋めてみると、なんとも懐かしい優しい気持ちにさせられるような素敵な香りがします。多くの人はこのにおいを「お日さまのにおい」と呼ぶのですが、太陽の下で干した時にしか、このにおいを出すことができません。
柔軟剤などで「おひさまの香り」をうたっている商品はいくつかあるのですが、お日さまのにおいを再現することは難しいのか、フローラルな違った香りになってしまっているのが現状です。これはこれで、一定の癒し効果を得ることができるようになっているのですが、癒しとともに天日干しの時に得られる懐かしい感じまでは感じることができません。
しかし、よく考えてみると「お日さまのにおい」はどうしてするのでしょうか。ある説によるとお日さまのニオイは、布団や毛布に棲みついたダニの死がいとフンのにおいだとされているそうなのですが、もしこれは本当なのだとしたら天日干しはぜんそくや乳幼児のいる家庭では悪影響を及ぼすことになってしまい、天日干し自体ができなくなってしまいます。
一方、2001年11月15日付けの日本経済新聞によると、「某大手化粧品メーカーが天日干しの洗濯物から漂う香りの成分を解明。紫外線によって洗濯物からアルデヒドやアルコール、脂肪酸といった揮発性の成分が発生すると判明した」としています。
この香りを嗅ぐことで、気分の良いとき特有の脳波が表れるということから、お日さまのにおいによって自分たちが懐かしく優しい気持ちになる理由が示されたと考えていいと思います。アルデヒド、アルコール、脂肪酸自体は部屋干しの際にも発生するのですが、紫外線によってこれらの物質が何らかの化学反応を示すことによって殺菌効果と共に「お日さまのにおい」ができるものと見られます。
洗濯によってきれいになった洋服やタオルは、お日さまのにおいというノスタルジックなスパイスによって、心も洗濯してくれるのかもしれませんね。
【参考】
・exciteニュース http://www.excite.co.jp/News/bit/E1319269622784.html
・石鹸百科 http://www.live-science.com/honkan/qanda/qalaundry03.html
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