ゲーム脳が脅かす考える力
電車内を観察していると、半分以上の人が携帯型ゲームで遊んでいたり、携帯電話をいじっていたりします。携帯電話ではメールやWeb閲覧、ゲームなどがあります。ご多分に漏れず自分も、携帯電話でゲームをよくしていて今日もいつものように遊んでいたところ、ふと感じたことがあります。
それは、ゲームで遊んでいる最中に人間はほとんど脳を使っていないのではないかということです。自分がやっていたのが怪盗ロワイヤルという単純にレベルを上げたりするルーチンワーク的なゲームであったこともあるのかもしれませんが、頭を使い一生懸命考えながらするゲームというのは実は案外少ないのではないかと思います。
そのゲームをしている時間をもっと有効に活用することができるのではないでしょうか。何をもって有効であると判断するのかは人によって違うと思いますが、帰り道に本を読んで勉強したり、観察をしながら偶然の発見をしたりするのもいいでしょう。このように人は何かを考えることを意識的に行なわない限り、その力は退化してしまうのではないかと考えています。
偶然が重なり、今自分の周囲ではすごいことが起こっているかもしれないのです。そういう偶然の発見、幸運を見つける力のことを「セレンディピティ」と呼びます。幸運や新しい発見は、誰のもとにもある物事に気づくか気づかないかで決まるという考え方です。それをゲームの世界に没頭することによってみすみす逃してしまうのではあまりにも、もったいなさすぎます。些細なことでもいいので考える時間を増やし、何も考えずに何かをする時間を少しずつ減らしていくことによって、どのような変化があるのか、楽しみにしたいと思います。
ゲーム脳の恐怖 (生活人新書) (2002/07/10) 森 昭雄 |
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