利き手とその逆の手との能力差は?
ご存じの通り、ほとんどの人の利き手は右手で人間の約9割だといわれています。社会的にもほとんどのものが右手用に作られています。例えば、日常生活でよく利用する自動改札は右手の人の方がタッチしやすいですし、物を書くときに右から左に書くというのも右手のほうが手を汚さずに書くことができるでしょう。ゴルフや野球などスポーツの道具も右手用のものがほとんどですし、左手用のものは割高になってしまう傾向があります。
自分の子供も1歳頃から物を投げたり、御飯を食べるときに左手を使うようになりました。小さい頃の利き手はよく変化するといいますが、彼はそれからずっと今に至るまで左手を使っています。きっと左利きなんでしょう。そんな利き手ですが、スペインのグラナダ大学のフリオ・サンチアゴ・デ・トーレス教授によると、能力的に左右の利き手の差は10%程度であり、誰もが経験を積むことによって逆の手を器用に動かすことができるといいます。
始めのうちは違和感があるのですが、反対の手で書き続けていくうちに利き手と同じ程度の字を書くことが出来るようになり、こうして左利きの人であっても右利き用の道具に適応しながらうまくこなしているというのです。左利きの人の方が適応能力があるわけではなく、右利きの人はそもそも不自由に感じないので左手を使わなくなってしまっているだけだといいます。考えてみると、訓練して左手を自由に使うというのはよくある話で、ピアノの鍵盤をたたいたり、キーボードをたたいたりするのは両手を自由に扱っているのも一例だといえます。
将来的にどちらがいいのか分かりませんが、スポーツ道具などなかなか左利きの物がないものについては右用でトレーニングし、それ以外の日常生活では左利きでもいいのかなと思います。あまり、無理をして矯正させると子供の心にダメージを与えてしまうことも報告されていることから、無理は禁物、自由に持たせてあげる心の余裕を持ちたいものです。
【参考】ナリナリドットコム
http://www.narinari.com/Nd/20100213018.html
左対右きき手大研究 (DOJIN選書 18) (2008/07/20) 八田 武志 |
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