お空で音楽が流れてる
夕暮れ時、海老名にあるファンタジーキッズ・リゾートからの帰りの電車の中の出来事でした。
比較的混雑していた車内で、自分と子供は二人で出入り口付近で外を眺めながら電車に揺られて、夕焼けの空を眺めていました。
すると、子供が突然にこやかに「パパ、あそこ!」と指を差します。差された指は斜め上を向いており、そこには「ドアに手を挟まれないように」という注意書き。しばらく彼の主張がなんなのか分からずにいると、「音符があるよ」といいます。
どこをどう探しても音符は見つからず、はてなマークが広がる自分にやきもきしたのか、彼は「お空に音符があるよ」とさらに説明してくれます。その指の先を見ると、驚くことにきれいな八分音符の雲がぷかっと浮いていて、夕焼けに照らされていたのです。
「電車についてくるよ」とまるで音符が追ってくるかのような状況だったのですが、やがて後ろ遠くに消えていってしまいました。
見つめる自分に、彼は「お空で音楽が流れているね」と大人では思いつかないような感性で話しかけます。きっといつの日か、この感性は鈍っていくのだと思いますが、少なくとも今このひととき、素直にこのようなきれいな心を彼の中に見つけ、これだけで今日一緒に遊んで良かったと思える出来事となりました。
ちなみに、この言葉は周囲のお客さんも聞いていて、数人は空を見上げてにこっとしていました。なんだか誇らしくなる車内での一コマです。
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