あしたまにあーな

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ものを塩漬けすると長持ちするわけ

2011年7月 08日 By: rainbow Category: グルメ No Comments →

高温多湿の時期を迎えるとどうしても食べ物が傷みやすくなります。早めに食べることが最もいい解決方法なのですが、保存食として長持ちさせる方法が古来から伝えられてきました。例えばものを冷やすという考え方。冷凍保存をしたり室に入れておくことによって、長期間の保存を実現しています。

そしてもう一つ、古来から伝わる保存方法として「塩漬け」があげられます。この塩漬けというものは、塩の脱水作用をうまく利用した保存法といえます。食べ物の表面に塩をまぶすことによって、食べ物の表面と内部の間の塩分濃度に大きな差が生まれます。その塩分濃度をできるだけ均一にしようとして、食べ物の内部にある水分が表面に出てきて薄めようとするのです。これを浸透圧の作用といいます。

浸透圧の作用とともに食べ物自体の細胞も活動が止まるのです。このことを「塩ごろし」といいます。塩ごろしが起こり、野菜自身の酵素が働いて微生物が活発になることによって、漬け物のおいしさと酸っぱさが生まれるのです。

かつては、塩分濃度を高めることによって長期間の保存に耐えうるものを作ってきました。奈良県に安土桃山時代から435年ものの梅干しも現存しているようです。信長や秀吉の時代と今を結ぶ架け橋のような梅干しの味にすごく興味があるのですが、軽々と食べることなどできないような厳かさがあります。

そんな漬け物の塩分濃度なのですが、近年では冷蔵庫の普及により冷温保存が可能になったことや我々消費者が減塩を好むようになったという背景から低塩分化が進んでいるといいます。例えば、1960年代と1990年代以降における漬け物の塩分濃度を比較すると次にようになっています。

・ 梅干し: (1960年代) 約20% →  (1990年代以降) 約8%
・ たくあん: (1960年代) 約14% → (1990年代以降) 約5%
・ 福神漬け: (1960年代) 約10% → (1990年代以降) 約5%

時代とともに保存食の作り方も変化し続けているのです。今から50年後の世界では、どのような保存食が生まれているのか楽しみでもあります。

【参考】R25 2011.7.7 NO.288

焦げたものを食べるとがんになるの?

2010年12月 24日 By: rainbow Category: ヘルスケア No Comments →

その昔、焦げたものの中に発がん性物質が含まれているので食べないようにと教わったことがあります。一体誰に教わったのかも忘れてしまうくらい曖昧な記憶しかないのですが、それでも焦げた部分を無意識のうちに取り除いて避けているという人も多いのではないでしょうか。

この情報は、もともと昭和51年にある大きな新聞が一面で焼き魚の焦げに発がん性の疑いがあるというニュースを報じたことから広まった情報のようで、それ以来様々な研究者が実験を行なってきました。

その結果として、細菌レベルでは突然変異を起こすことはあっても、マウスを用いた動物実験などでは、実際にがんが発生することはなかったそうです。栄養学博士の白鳥早奈英先生によると、魚や肉に含まれる動物性たんぱく質が、焼くことでへテロサイクリックアミンなどの発がん性物質を作り出すのは事実なんですが、その量は理論上、体重60kgの人が毎日100tの焦げを食べなければがんを発症しない程度の、ごく微量に過ぎないといいます。

ということで、確かに焦げたモノの中に発がん性物質が入っていることが分かったのですが、実際に健康に被害を及ぼすほどでもないということも同時に分かりました。でも、人間は不思議なものでちょっとでもそういった物質が入っていると気になるもの。どうせなら避けたいと考えてしまいます。

そこで今一度日本の食文化に立ち戻って考えてみると、自分たちは昔から焼魚など少し焦げたものを口にしてきました。例えばサンマの付け合わせとして大根おろしが添えられます。欧米ではステーキにジャガイモを添えたりします。この大根おろしやジャガイモには発がん性物質の抑制作用を持つカタラーゼという酵素が含まれています。これは唾液の中にも含まれているものです。

自分たちは知らず知らずのうちに、体に害のあるものを打ち消してくれるような食べ合わせをしているのです。昔から言い伝えられたものには必ず理由があり理にかなっているということがわかります。少しくらいの焦げであれば気にせずに、その味を思う存分楽しむのが精神的にも一番だし、お腹も満足するはずです。

【参考】web R25
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/report/?id=20101129-00004477-r25

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