あしたまにあーな

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江 -姫たちの戦国- 第7回「母の再婚」

2011年2月 20日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

今回の大河ドラマの視聴率が徐々に低下しているといいます。その主な要因は以下にあるといわれています。
・ファンタジーともいわれているドラマの内容は、これまでの歴史の描写ではあり得ないほど、要所要所に江が天真爛漫な姿で登場しており、その姿が「のだめ」に重なってしまうこと
・歴史上の事実と異なる演出が数多くされていること
・前回の本能寺の変で豊川悦司がいなくなってしまったためイケメン俳優が不在となってしまったこと。女性ファンが多いため、常にイケメンの俳優は必須

自分はこれまでスポットの当たらなかった部分の人間模様を見ることができるのであればその内容に脚色が加わってしまうのは仕方ないと思っていたのですが、歴史を変えてしまうのは一線を越えてしまうような気がします。今回はその一線を越えてしまったような気がしてなりませんでした。

その場面は清洲会議です。信長の跡継ぎを決めるために清洲城に集まった秀吉、柴田勝家たち。そのなかで三法師を担いで織田家の跡継ぎを秀吉は宣言する場面において、そこにも江は登場します。しかも、ふすまの影に隠れて盗み聞きをした上に、秀吉に意見を申します。おそらくこんな場面は歴史上ではないのではないかと思います。歴史の表舞台を大きく変えてしまうこのような演出は少々やり過ぎなのではないでしょうか。

自分は「のだめカンタービレ」をみていないため、その時の上野樹里は知りませんが、このように広く世の中で話が出てきてしまうと、現代チックな振る舞いに大河ドラマを見ているという感覚を忘れてしまいそうになります。斬新ともいえるのですが、自分はあくまでも大河ドラマを見たいのであって、この時間に月9を見たい訳ではありません。それでも、江という人物がどのように歴史上活躍したのかという事実は知りたいので、転換を期待しつつこれからも見ていきたいと思います。

そんなドラマの中でしっかりと地に足を付けて演技をしているのが家康役の北大路欣也さんでしょう。秀吉役の岸谷五朗さんは飛び跳ねて落ち着きがなく、柴田勝家役の大地康雄さんも鈴木保奈美と再婚するというときに、汗を書きながら落ち着きがない様子を全面に出しているのに対して、北大路欣也さんのじっくりと構えるその姿は見ていて安心感すら覚えます。

物語は、ドタバタすればその分だけ観る側に深い思慮と感動から遠ざけていきます。織田家がどんどん厳しい状況になっていく今、お市と三姉妹はこれから大きく人生が激動のものになっていくまさに今が分岐点にあります。その部分が最も引き立てられ、余計な雑音がないようにこれからの展開が進んでいけばいいなと思います。

◆江紀行◆
愛知県清須市
 - 清洲城
 - 織田信長公像
 - 五条川
 - 清洲古城跡公園
 - 信長公を祀る社
 - 石垣跡

江 -姫たちの戦国- 第6回「光秀の天下」

2011年2月 13日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

信長が亡くなったあと、命がけで伊勢に向かっていた家康と江は、野武士たちに襲われながらも何とか伊勢に到着することに成功します。途中、家康と野宿をしながら色々とかたりあう姿から、いずれはこの二人は縁があるのだろうなというフラグを感じずにはいられませんでした。北大路欣也のように武士もののドラマになじんでいる人は、本当に見ていて安心します。

そして今回のメインでもある明智光秀ですが、信長を討って天下人になったにもかかわらず、なぜか死相が出ているというかこれからがんがんいくぞという雰囲気がありません。本当にそういう人だったのかどうかわかりませんが、結果ありきの演出に見えて仕方ありませんでした。おそらく彼としても色々と感じるものがあり、自分で信長とは違う天下を作っていこうという思いはあったはず。それを感じさせずに終わってしまうのはなんだかもったいない気がします。

その光秀の思いをなんとか表に出そうとしたのが江でした。ドラマの主人公が江なので、こういう演出になるのは仕方ないのですが、あまりにも江に依存しすぎているような気がします。信長の最期に影響を与えたのも江でしたし、光秀から考えを聞き出すのも江でした。さらに光秀が最期に思い描く人も江。ここまで連続すると、これから亡くなっていく歴史上の人物である秀吉などの最期も江と関連させるのだろうなという創造が容易にできるでしょう。

光秀を最期に追いやったのはその秀吉でした。歴史上有名な「中国返し」を実行することになるのですが、岸谷五朗の秀吉役はまだ実感がわかないのが現状です。ふざけた姿で転がり回ったりするのは、天地人で秀吉を演じた笹野高史さんの方がまだ脳裏に焼き付いているせいからかもしれません。岸谷五朗さんを猿と呼ぶには顔が整いすぎているのだと思います。そうだからなのか分かりませんが、山崎の戦いで「日暮れまでに勝負をつけてやる」といったりりしい姿は本当に似合っていました。

信長が亡くなったときに、家臣の分布として柴田勝家が越中、羽柴秀吉が備中、滝川一益が上野、織田信孝が堺で、織田信孝が最も光秀に近かったのですが、結果的には羽柴秀吉の勝ち。戦況を冷静に判断し、すぐに駆けつけて討ち果たした方が後の後継者争いで絶対的優位に立つということを瞬時に秀吉は理解していたのでしょう。その頭脳と実行力は天下人と呼ぶにふさわしいと思います。

今後、お市や江たちは秀吉を中心とした世界の中で生きていくことになるのですが、こういった表舞台に翻弄されながらも自分というものをしっかり持ち、生きていく姿を見ていきたいと思います。

◆江紀行◆
滋賀県大津市
 - 比叡山
 - 坂本城跡
 - 明智光秀像
 - 西教寺
 - 明智光秀の墓

江 -姫たちの戦国- 第5回「本能寺の変」

2011年2月 06日 By: rainbow Category: 2011年_江 1 Comment →

歴史上この事件を知らない人はいないのではないかと思えるほどメジャーな本能寺の変が今回登場します。教科書の中だけでなく様々なドラマでこの場面を演じてきた役者がいますが、彼らに共通しているのは以下の3点。
・最期は美青年である森蘭丸を引き連れていること
・矢で応戦するもやられて寺の奥へと引き下がること
・人間50年・・・という歌を歌うこと

ご多分に漏れず今回の豊川悦司も同じようにしっかりと演じていました。ただし、今までにない場面が1箇所だけありました。それは亡くなる間際に江の思念体が登場し、なぜか冷たい顔をして振り返って行ってしまいます。信長にとっては最期まで江に言われた「自分を神になるなんて最低!」という言葉にひっかかっており、それを晴らすことなく亡くなってしまうことに未練があったということを示したかったのかもしれません。

その江は、家康に招かれて京へ向かいます。三姉妹のなかで江だけが家康に呼ばれるということから、すでに運命の方向性は定まっていたのかもしれません。家康は妻と嫡男を失ったことに対して江が言葉をかけてくれて心に染みいったことを理由に挙げていますが、それだけ理由が大きく人生を動かすことになるんだなと改めて感じます。そのあと、家康と江は生死をかけた逃亡を行なったことからも、絆というものが深まったのではないでしょうか。

そして、なんと言っても今回の主役である明智光秀について書かずにはいられません。今までも信長に思いっきりおしかりを受けて手を震わせながらじっと耐えていたのですが、脅しのつもりで家康が発した謀反でも起こしてみるか、という挑発に思いっきり乗ってしまう形になります。信長の本意として光秀に自分の跡を継いで頑張って欲しいという気持ちは光秀には全く届かず、むしろ逆になったしまったのです。なんとも無念といいますが、相手に自分の気持ちが伝わらないというのは、命を落とす結果にまで至ってしまうのが悲しいところです。

そして、みなさん、そのときがいよいよやってきます。天正10年(1582)6月2日、お約束となっている「敵は本能寺にあり!」というセリフと共に見慣れた襲撃。このあたりは特に目新しさはありませんでした。

今回の大河ドラマらしいのはむしろその後でしょう。襲われていた江の背後に突然信長が現れ、「おぬしは生きよ」と江に伝えます。この言葉で信長は死んでしまったと悟った江は、家康と共に叫びながら馬を駆け巡らします。言葉尻だけですが、前を向いて生きていかなければならないと感じた江は、これまでよりも成長した一面を魅せるように演技が変わって行きました。

出だしの大きな事件となりましたが、江にとってこれからもっとつらく厳しい状況はやってくるでしょう。その時にどのように生きるか、それを信長というおじさまから感じ取って受け継いでいくのだろうと思える内容であり、本能寺の変から自分たちもそれを常に感じて今後も見ていかなければならないと感じました。

◆江紀行◆
京都府京都市
 - 本能寺跡
 - 本能寺 (信長公廟)
 - 二条殿跡
 - 大雲院
 - 信長・信忠親子の碑

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