あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 山崎裕太


江 -姫たちの戦国- 第14回「離縁せよ」

2011年4月 17日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

今回は完全に江が秀吉によって振り回される結果となってしまいました。天下をほぼ我が手におさめている秀吉にとって、もはやこの世にいない信長やお市も怖くありません。自分にかなうものはいないという大きな自信が、自分中心の行動に結びついているのでしょう。

佐治一成のもとに嫁いだ江ですが、挨拶回りの後はすぐに合戦となります。自分が織田家を守るための存在として佐治家にやってきたとばっかり思っていたのですが、ここで早速秀吉との戦となり自分がなぜここにやってきたのか疑問符がつき始めます。この時にはその程度でしか考えていないような描写なのですが、おそらく今後の人生をも左右するような出来事のきっかけになったのだと思います。

いつものお約束なのですが、小牧・長久手の戦いはものの10分程度で終わってしまいます。佐治の進言にも耳を貸そうとしない織田信雄をこの脚本上では横暴で短絡的な武将と描いているので、この後の織田家の行く末について伏線が張られているのが分かります。ちなみに小牧・長久手の戦いについて一番わかりやすく説明してくれたのが、NHKの江のサイト内の「江を読む」でしょう。ここまでしっかりと説明しているのならもう少し時間を割いてもよかったのにと思ってしまいます。

苦戦の末に和睦に持ち込んだ秀吉は、偽メールを使って江を大坂城に戻します。ここまで来るとアウトなのですが、秀吉ならもはや何でもOKなのでしょう。強引に佐治一成と離縁させられた上に、江は秀吉の養女とさせられてしまいます。自分が覚悟の上で嫁いだ佐治一成との結婚生活は半年にも満たなかったといいます。江の気持ちだけでなく、佐治一成の無念さも容易に想像することができます。それも戦国の世であれば当たり前だと言われればもともこうもないのですが。

それにしても離縁というのはいとも簡単にできるものなのだなと思いました。双方の同意がないといつの時代もできないものだと思っていたのですが、今回をみると完全に秀吉からの一方的な通告のように見えます。これがまかり通るのなら、人間関係や血縁関係は権力者によって簡単に変えることができることになってしまいます。恐ろしい世界だなと感じてしまうのは今を生きているからなのかもしれません。

再び三姉妹の生活となる次回からどのように江はこの無念を晴らしていくのか、そして無理矢理離縁させられら佐治一成の後世がすばらしいものになるように祈りながら見ていきたいと思います。

◆江紀行◆
愛知県愛西市
 - 木曽川
 - 水屋
 - 佐屋三里之渡跡

江 -姫たちの戦国- 第13回「花嫁の決意」

2011年4月 16日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

※先週は、選挙特番の特別時間枠のおかげで、視聴が1週間遅れになりました><

話は、江の嫁入り問題から始まります。あまりにもわかりやすい展開で、茶々と親しくなりたいにも関わらずそれを邪魔しようとする江のことを煙たがって、外に出したかったのだとわかります。また、江の後ろには今回も信長が登場し、ぐっとにらみつけるのですから安心することなどできないでしょう。豊川悦司も直接自分の場面ではないのに登場回数が積み上がっていきます。

ここからは、徐々に江の気持ちが変わっていく様子を描いています。織田家を守りたいという思いと共に根底にあったのは姉上である茶々を守りたいという気持ち。自分が秀吉の言いなりになって嫁ぐ代わりに茶々によこしまな気持ちを抱かないようにと一筆をさせます。しかし歴史が語るように、茶々は後にしっかりと秀吉の側室になります。この一筆の件が今後登場するのかどうかはわかりませんが、江やお市の願いは結果的には叶えられなかったことになります。

それにしても女性中心の物語の中で存在感をしっかりと発揮しているのが大竹しのぶさん演じおねでしょう。時にはしっかりと秀吉をサポートし、時には殴りつけて姿勢を正そうとする。物語中で千宗易が言ってましたが、おねさんあっての秀吉なんですね。むしろ、江よりもおねの方が目立っていたように感じます。

これまで、三姉妹として生きてきたのですが、こうやって少しずつ離ればなれになっていきます。離れてしまうと、その先の関係や時代の流れに流されてしまい時には敵として対峙しなくてはならない場面もあるでしょう。兄妹や親子、姉妹で戦になることも珍しくない今、江はそれを察していたのかどうか分かりませんが、尾張・大野城に向かっていきます。

江がいなくなって少しだけ存在感が薄くなってしまいそうなのが、初でしょう。決して水川あさみさんのせいではないのですが、役として初はどうしても江よりも存在感が薄くなってしまっています。茶々や江が目立っている分少しかわいそうな気もします。この後どのように存在を出していけるか、はじけた行動に期待したいと思います。

尾張・大野城に到着した江は、早速一成と対面します。完全にフランクで気さくな好青年とわかると、顔も思わず微笑んでしまうというもの。丁度江とお似合いだなと思えます。しかし、それも一時のこと。政略結婚の運命なのですが、次回は悲しい事実が待っていることになります。

最後に江を演じる上野樹里さんですが、今までのような元気いっぱいで演技をすればいいような場面はのだめなどでも実績があり、うまく表現できているのですが、じっくりと話をして行動するような演技ではどうしても素人っぽい棒読み感と感情が入っていないような雰囲気を受けます。特に大野城から伊勢湾を望んでいるときの演技は、完全にガチガチでした。今後、そのような演技が重要な場面で求められることから、はやく自然な演技ができるように見ていきたいと思います。

◆江紀行◆
愛知県常滑市
 - 大野城(宮山城)跡
 - 佐治一成像
 - 斉年寺

江 -姫たちの戦国- 第12回「茶々の反乱」

2011年4月 03日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

今までの大河ドラマになれてしまうと、こういった歴史上大きな出来事が出てこないで心の動きの変化を伝える内容に少し物足りなさを感じてしまいます。もちろん今回の大河ドラマ自体が歴史の表舞台を中心に描くものではないと分かっているのですが、どうしてもそういう場面を欲してしまいます。

例えば今回でいうと、家康が浜松で竹千代と於義丸との稽古を眺めながら、於義丸よりも竹千代の方に感心がいっている様子を描いていて、このあとの家督相続のことを暗示していた描写や、黒田官兵衛が家康が織田信雄と共に兵を挙げることになりそうで、そのために水軍が力不足であると進言する部分はその後の戦に大きな影響を及ぼしそうだという場面などがどうしても面白く感じてしまいます。

一方で、今回のメインはなんと言っても茶々でした。彼女は始めのうちは秀吉が贈った着物や食べ物を食べようともせずに、秀吉へのにくさからストライキ活動を実施します。姉だけそれをさせる訳にはいかないと半強制的に初と江も参加することになります。そんな小さな戦は千宗易の「全部を飲込んで大きな人になりなされ」という説得に崩れ落ちる結果となります。なんと言っても石坂浩二の方が大人だなと感じさせる場面でした。おそらく本人たちにとってはすごく大きな事なのですが、そこまで時間を割く必要があったのかは謎です。

おそらく、この受け入れをしたことによって今後、茶々が秀吉に対する考え方が大きく変わっていくターニングポイントになるんだということを、ここでは伝えたかったのだと思います。それを伝えるために、妹たちも犠牲にするのはやはりかわいそうだと言わざるを得ません。

そして今回も登場したのがファンタジーの世界でした。江の後ろに信長が2回亡霊のように秀吉をしかりつけます。以前、この信長登場という技はこれから何回も登場するだろうと思っていたのですが、やはり今回も複数回にわたって登場します。そろそろおしまいでもいいような気がします。きっと秀吉が江を嫁がせようとしたのは、背後にいる信長に恐れたから、という理由ももしかしたら設定上あるのかもしれません。(その嫁ぐ人発表の場面では、侍従も「わたし?」みたいな感じでドキドキしていたのが面白かったです。秀吉が息を切らしてやってきて本当に侍従を指し示していたら、すごい展開になっていたかもしれません)

次回は江が主役になって嫁いでいく場面のようです。残るのは初と茶々。茶々には
軟派で弱々しい感じの三成と秀吉が恋心を抱いているようなので、その当たりも眺めていきたいと思います。

◆江紀行◆
大阪府堺市
 - 千利休屋敷跡
 - 椿の井戸
 - 南宗寺
 - 千利休像
京都府大山崎町
 - 待庵(妙喜庵)