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正確に水を分ける先人の知恵

2011年4月 11日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

現在水の存在価値が改めて大きくなっていますが、水は昔から人々に恩恵を与えるものであるゆえに様々な争いが絶えませんでした。海外では今でも水を自分の畑に入れるためにお金を払い、きちんと水が来てくれるか不安を感じているところもあります。水の配分は予め決められた分量を確実に行なう必要があることから極めて公共性の高いものだったのです。

そんな水を分ける分水管理のひとつの方法として採用された方法が、今も川崎・二ヶ領用水の久地分量樋に残っています。その方法とは、円筒分水というもので正確な自然分水を目的として昭和16年に作られました。その仕組みはすごくシンプルです。円筒の中心から湧き出させた水は円の縁の方向に流れていきます。

そこに配分量にあわせた敷居を作って、水を分けるのです。当然大きな配分を約束されたところは円弧の長さが大きくなり、少ない量しか割り当てられていないところは円弧の長さが短くなります。

円筒分水の技術は、当時最も理想的で正確な自然分水方式の1つだといわれていたので、近年に至るまで各地で造られているといいます。今でも関東地方を中心に全国約30箇所の農業用水に存在しているそうです。自分が住む神奈川県の水瓶である相模湖や津久井湖から流れる水も円筒分水を利用した下九沢分水池にて川崎と横浜に分けられていっているということを知りました。

このように、水を管理する技術は分けるという1つをとっても考え抜かれた素晴らしい技術をもって行なわれているのです。まだまだ水を取り巻く技術はたくさんありそうです。

【参考】
・二ヶ領せせらぎ館
・円筒分水ドット・コム http://entoubunsui.com/

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ベクレルとシーベルトの違いを把握しよう

2011年3月 24日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

毎日メディアでは放射性物質が様々なところから検出されたといって、市民の不安はどんどん広がりつつあります。政府やメディアでは「直ちに健康被害が生じるものではない」という表現を使い、安全性を示していますが中長期的にどうなのかといった不安と、そもそも今まで馴染みのなかった放射性物質の単位が登場し、よく分からないという不安から買い占めや買い控えとった消費行動につながってしまうのです。

そこで、今回は最近頻繁に登場する様々な放射性物質の単位について、その関連性を学んでみたいと思います。そのとき登場する単位が、ベクレル、シーベルト、グレイの大きく3つではないでしょうか。例えば、とある浄水場で1リットル当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたといったニュースが報道されます。一方で、100ミリシーベルト以上の放射線を浴びると健康被害が出る可能性があるともいわれています。

◆放射性物質の単位
このように、シーベルト、ベクレル、グレイは様々なところで登場しています。それぞれの定義について見ていきましょう。

・ベクレル: 放射性物質が放射線を出す能力を表す単位
・シーベルト: 放射線による人体への影響度合いを表す単位
・グレイ: 放射線が物質にあたったとき、その物質に吸収された放射線量を表す単位

緊急時には、シーベルトとグレイは同じと見てよいとされていることから、ここでは主にベクレルとシーベルトについて見ていきましょう。ベクレルの値が大きくて放射線を出す能力が高くても、その物質によって放射線自体の強さが違うので単純に比較はできません。この2つを結びつけるための換算が必要となるのです。

◆放射性物質の種類
新聞やテレビで報道されている放射性物質とは、主に以下の3つを指します。
・ヨウ素131(I-131)
・セシウム134(Cs-134)
・セシウム137(Cs-137)

これらの物質が食べ物に付着しているものを摂取する経口摂取と、呼吸とともに体内に取り込む吸入摂取では換算のための係数が違います。

<シーベルトとベクレルを換算するための係数>
I-131
・経口摂取 2.2×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)
・吸入摂取 7.4×10-9(10のマイナス9乗)(Sv/Bq)

Cs-134
・経口摂取 1.9×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)
・吸入摂取 2.0×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)

Cs-137
・経口摂取 1.3×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)
・吸入摂取 3.9×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)

◆換算してみる
それでは実際に換算してみましょう。例えば上の例でいうと「とある浄水場で1リットル当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出された」場合、210Bq/Lと表現します。ここで水は経口摂取となるので、上の係数から2.2×10-8(Sv/Bq)を利用します。

210 Bq/L × 2.2×10-8 Sv/Bq = 0.00000462 Sv/L

つまり、1リットルあたり0.00000462シーベルトとなります。これでは小さすぎてよく分からないので、ミリやマイクロといった単位を使います。

0.00000462 Sv/L = 0.00462 mSv/L = 4.62 μSv/L

つまり、浄水場の水から検出された放射性物質は1リットルあたり4.62マイクロシーベルトということになります。これはあくまで概算でありすべてが体内に取り込まれるのではなくこれよりも実際は小さくなるといわれていますが、目安にはなるでしょう。

◆どのくらいの放射線を浴びるとまずいか
放射線は宇宙から降り注ぐなど自然界にも存在します。またCTスキャンをする際にも浴びることになります。ここではそのレベルについて見ていきます。

・人が普通に暮らして浴びる量: 年間約1000マイクロシーベルト
・自然界に普通にある放射線の量: 年間約2400マイクロシーベルト
・胸部CTスキャン1回: 6900マイクロシーベルト
・健康に影響が出る可能性が高まる量: 100000マイクロシーベルト

仮に、毎日1時間当たり0.1マイクロシーベルトの環境放射線量下で過ごすと、

0.1 μSv × 24時間 ×365日 = 876マイクロシーベルト

となり、1リットル当たり210ベクレルの放射性ヨウ素を含む水を毎日1リットル飲むと、

4.62 μSv × 1リットル × 365日 = 226.3マイクロシーベルト

となります。さらに水以外の食べ物に放射性物質が付着していてそれを摂取するとすると、さらに加算することになります。値は検出されたものによって大きく変動しますし、ずっと同じ値ではないこと、個人差や年齢差、必ず問題がないとは言えない不確定要素はありますが、ここからいえるのは、かなりの量を摂取しない限り上で示されている健康に影響を与えるレベルまで行かないということがわかります。

正しい知識を身につけ、自分で換算したりすることができればその程度はおのずと自分で判断することができるはずです。わからない、目に見えないというのは最大の不安要素です。少なくともそれを払拭することができたとき、今の状況を冷静にみることができるのではないでしょうか。

【参考】
・MEMORVA http://memorva.jp/school/safety/radiation_bq_sv.php
・原子力安全研究協会 http://www.remnet.jp/index.html
・日本分析センター http://search.kankyo-hoshano.go.jp/
・yomiDr. http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=38404

「モンゴルの悩み」から何を学ぶか

2011年1月 25日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

2011年1月24日の日本経済新聞夕刊に掲載されている伊藤忠商事会長 小林栄三さんのコラムでは、モンゴルが今抱えている問題について触れています。

それは、モンゴルの大気汚染についてです。モンゴルの首都ウランバートルへの人口集中は東京の比ではなく、モンゴル全体の人口273万人に対してウランバートルの人口が111万人と約41%にも及びます。他の都市の人口が8万人以下であることからもいかに人口が首都に集中しているかが分かると思います。

そのモンゴルでは、遊牧生活をしてきた人がそのままウランバートルでもテント生活を送ることから、極寒の冬には燃やした大量の石炭などでむせてしまい気管支炎になる人も増加しているとのこと。日本はもっともっと協力の手をさしのべるべきだと小林会長は締めくくっています。

この記事から、自分たち日本人は何を学ぶことができるでしょうか。かつての日本では高度経済成長の時代、公害問題が各地で起こりました。同様に産業革命期のイギリスでも、近年の中国でも同様の問題が起こっています。国が冨を求め人々が生きていくために豊かさを貪欲に求める時、環境問題は二の次の問題となります。周囲がそれを非難したとしても、生きようとする欲求は術にも勝るのです。

この時、すでに豊かさを得ている国がこういった国に対して半ば強制的に抑えようとすれば、反発だけを与得てしまうことになるのです。

では、このモンゴルの問題から自分たちはどういったアプローチをすることができるのでしょうか。ひとつの考え方として、双方にメリットがあればいいというものがあります。大気汚染をするようなものを抑えることがビジネスになり、それは同時に途上国にとっても収入減や節約になるのだとしたら双方が目的に向かって努力するでしょう。

例えば、先進国が環境に配慮したものや技術を提供し、それを途上国が利用することによって、今までよりも電気代や燃料代を節約することができるということが考えられます。移住した人用の住居を作り、そこに住まわせることによって都市開発も進みますし、環境負荷を抑えることもできます。そういった環境ビジネスが途上国自身の雇用につながれば、まさに一石二鳥でしょう。

すぐにゴールに向かうことはできないかもしれませんが、一方に負担が及ぶような制度や考えは、いずれ破綻を来たし環境へのモチベーション低下にもつながります。今こそ世界的な規模で、win-winになれる技術の相互協力が求められるのではないかと思います。

【参考】日本経済新聞 2011/01/24

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