あしたまにあーな

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天地人 第44回「哀(かな)しみの花嫁」

2009年11月 01日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

不幸は人を強くするのでしょうか、それとも弱くさせてしまうのでしょうか。今回はそんなことを考えさせられる内容となりました。本多政重が直江家にやってきて名前を直江勝吉と改めるのですがなかなか心を開こうとしません。兼続は直江家の婿としてやってきた勝吉に直江家の内情を色々と話して聞かせます。本多家を通じて徳川に情報が筒抜けになることを分かっていても、身内だということで包み隠さずに話をする兼続の心の中には、上杉家が潔白であり自分たちに逆心はないということをアピールするものがあったのだと思います。

そんな表向きの融合は着実に進んでいきましたが、肝心のお松との関係は少し様子が違っていました。勝吉としても自分が政治的に重要な役割を果たすためにやってきたという気持ちが非常に強いので、お松と親密な関係になること、夫婦として仲むつまじくやっていく必要性がないと感じていたようです。周囲からも特別な目で見られていたと思うので、少しかわいそうな身分だったのかもしれません。

それ以上につらい思いをしたのがお松だったのでしょう。普通の娘として育ってきたお松は幸せが一杯でお互いのことを想い合う兼続とお船という夫婦の子供でったことから、なおさら父や母のような夫婦を理想としていたのでしょう。しかし、現実はそうではなかったのです。お船にどうしたらいいのかという気持ちを暴露するとお船は「ひたすら相手にとってどうしたら役に立てるか」という気持ちを持つことが大切だと話をするのです。たしかに、自分だけのことを考えるのではなく、相手がして欲しいことを考えながら先回りしてやってあげることは非常に大切な考え方だと夫婦になってみると強く思います。そんな悩みを抱えつつお松は亡くなっていくのでした。

そしてもう一つ今回のトピックとしては兼続の政に対する考え方が固まったことでしょう。伊達政宗が米沢にやってきて一つの天下を成していると褒めた街作りから、改めて民のための政が大切で、自分が目指すべき道だと感じるのでした。今までは漠然と思っていたものがここに来てようやく固まったのでしょう。この先、政治的にはどんどん変わっていくことになりますが、きっとこの気持ちは変わらないのでしょうね。きっと、秀忠がT.M.Revolutionの中川晃教であっても、ひるむ事なく相手するのでしょう。残り少ない回で登場した中川晃教の動きからも目を離すことが出来なさそうです。

□■天地人紀行■□
山形県長井市/南陽市
 朝日軍道
 總宮神社
 直江杉
 熊野大社

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天地人 第43回「実頼追放」

2009年10月 25日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

今回は、久しく語られることがなかった上杉の正しい「義」の考え方について実頼という存在を通して教えて貰ったような気がします。これまで、曲がったことはせずに自分たちが正しいと思う道こそが義なのではないかと思っていたときもありましたが、それは兼続に言わせると全然違っていたんですね。そのことを上杉の主君である景勝ではなく兼続を通して知ることになります。

実頼も少しかわいそうな気がしますね。自分でも上に書いたような考え方をしてしまうのに、それをきちんと説明を受けずに自分が決めたことだからと兼続に言われて納得するしかありませんでした。泉沢などとは違って実の兄弟であるがゆえに、言いたいことは言ってしまったのがキズとなってしまいました。上杉に謀反の考えがあると榊原は家康に進言し話が進みますが、直接家康が処理しなくて本当によかったです。そうなっていれば間違いなく上杉家はさらなる減封かお家取りつぶしになっていたかもしれません。

兼続の必死の対応が実を結び、なんとか穏便に婚儀が進むことになり、実頼の命は助けられ高野山へ追放となります。実頼は始め反発しますが、最終的には行った先の高野山で真田幸村に出会ったりしながら、自分一人で生きているわけではなく、みんなに助けられながら生きていることを実感したようです。反発していたとしても最終的にお互いがわかり合える存在になれたことは幸いでしたし、見ている方も気持ちよく見ることができました。このように兄弟や親子など近い存在は、遠く離れる時もある方が結果的にお互いを大切に想い、尊敬しあうことができる存在になれるのかも知れないなと感じます。

徐々に、米沢という街を発展させる方向へ話がシフトしていき、桜井たちが開墾地をうまく成功させ、訪れた兼続たちに大根をわけていたのが印象的です。「すばらしい大根だろ」と振り上げた大根ですが、少し曲がっていて小さかったのが気になり、「もう少し大きいのを選べばよかったのに」という場面もありましたが、武将がこのように農民になって田畑に実りをもたらす様に、今後もこの地が潤ってくれるといいなと願わずにはいられません。次回からは本多政重がやってきてどのように上杉にとけ込んでいくのかが楽しみです。

□■天地人紀行■□
和歌山県高野町
 高野山
 伊達政宗供養塔
 織田信長供養塔
 明智光秀供養塔
 武田勝頼供養塔
 金剛峯寺
 上杉謙信位牌

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天地人 第42回「将軍誕生」

2009年10月 18日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

物語はしばし戦の状況から人間の内面をクローズアップしたものに変わっていきます。今回は人間の生きる尊厳を改めて感じる回となりました。まずその始めが景勝の正室であるお菊です。お菊は自身が側室の子供である武田勝頼の妹という身であることで肩身の狭い思いをしたことから、必ずや正室である自分が子供を産むのだと思っていたのですが、それもかなわず、お見舞いに来た景勝に側室を持つように諭します。

景勝も十分にお菊のことを思い、側室を持たなかったのは夫婦の愛情や人と人との結びつきを大切にする上杉家の家風を地でいくような立派な姿でした。お菊は1604年に42才でこの世を去るのですが、その後に望んだ秀頼への年賀の挨拶で泣き崩れてしまう様子に人間臭さを感じました。普段はあまり感情を表に出さない景勝はこういったポイントでは人として魅力的な一面を見せるのですね。これが家臣がしっかりとついてくる要因なのかもしれません。

もうひとつは、兼続の子供である竹松です。ご存じ加藤清史郎くんがあまり多くないセリフにも関わらず存在感を見せつけているのですが、高熱にうなされるも母親であるお船が帰ってきたことで元気がでたのか、次第に解放に向かいます。お菊が亡くなったこと通じて兼続は竹松に命の大切さを訴えるのです。こういう実在を伴った話は説得力があり、竹松もしっかりと生きなければならないと改めて感じたのではないでしょうか。

それにしても、徳川家康の家臣になっている遠山康光はすごい悪役オーラが出まくってますね。演じている螢雪次朗さんがそういう風にあえて演じているのかもしれませんが、次々と君主を変えて、今回徳川家康の側で思いきり兼続をののしっています。史実では、御館のときに景虎とともに自害しているようなのですが、天地人では引っ張っているのでしょう。こういうぴりっとした雰囲気の役があると引き締まります。次回はまた騒動が起こりそうな感じなのですが、とりあえず1週間は命の大切さについて心に刻んでおきたいと思います。

□■天地人紀行■□
山形県米沢市
 うこぎの垣根
 直江石堤
 芳泉町 武家屋敷

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