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軍師官兵衛 第45回 「秀吉の最期」

2014年11月 09日 By: rainbow Category: 2014年_軍師官兵衛 No Comments →

前回から引き続き熊之助の話が続くのですが、これは完全に事故としかいいようがない出来事でした。官兵衛や長政も複数回にわたり大陸へと航海をしていますが、いつこのように転覆事故を起こしてもおかしくない状況だったのでしょう。それがたまたま熊之助にやってきたということ。しかも無事に大陸へ渡ったとしても父や兄から褒められることは決してなかったと思います。彼が生きていたら黒田家はどのようになっていたか分かりませんが、このように独断で物事を進める人は今後長政などから疎まれてしまう危険性もあったかもしれません。

そんななか、秀吉の死期は確実に迫っていました。他のドラマでは秀吉が様々な人に秀頼を頼むと言いいながら、誓約書のようなものまで書かせていましたが、さすがに今回はそこまではしていませんでした。どんどん老いていく秀吉を演じる竹中直人さんは見事な演技なのですが、同じように歳を重ねているはずのおねを演じる黒木瞳さんはここでも若々しく、この2人の見た目のギャップがどんどん広がっていくのに違和感を覚えます。

今回の最大の見所は如水と秀吉の最後の別れのシーンでしょう。他の人に言うように秀吉は秀頼を頼むというのですが、如水はその手をふりほどいて力のあるものが天下人になるのだと支援を拒否します。この手前で家康が同じように言われて全力で秀頼を盛り立てると模範解答を述べていたのとは対称的な対応であり、普通ならここで秀吉から厳しい沙汰が言い渡されてもおかしくない状況です。しかしそうはならずに、最後まで軍師らしく振る舞った官兵衛とそれにたよった秀吉という関係を上手く表現できていたのではないかと思います。

この後は、歴史が物語っているように家康と三成の全面戦争の様相を呈してくることになりますが、最後数回のなかで黒田家がどのようにこの最後の乱世を生き抜いて太平の世の中に引き継いでいくのか楽しみにしたいと思います。

◆官兵衛紀行◆
京都府京都市
 - 伏見城趾(伏見桃山陵)

軍師官兵衛 第44回「落ちゆく巨星」

2014年11月 02日 By: rainbow Category: 2014年_軍師官兵衛 No Comments →

今回は豊臣家の面々ですばらしい演技が光ったような気がします。まずはいつものことながら竹中直人さん。彼の秀吉は本当にはまり役で見ていてものすごく安心感があります。大河ドラマは奇をてらったようなキャスティングではなくこのように落ち着いて演技を演技と感じることなく見ることができる役者が必要なのだと改めて思います。さらに竹中直人さんは徐々に年老いた役になっていき、今回に至ってはすでに60となっています。今の時代の60歳の方と比較しても「少し年を老いすぎてないか?」と感じてしまうのですが、家康も55だというので妥当なのかもしれません。

そしてもう一人が茶々を演じる二階堂ふみさん。彼女はこれまで存じ上げなかったのですが、子供のためならなんでもするという母親の強さと恐ろしさを迫真の演技で見せてくれます。拾が天下人になるのに邪魔をする可能性がある人々をことごとく、そしてやんわりと排除するように三成や秀吉に訴えることによって実現していきます。この後の淀殿の様子を知っているだけにちょっと悲しくもなるのですが。そう考えると、江が主人公になったので、あと10年以上はあり得ない企画だとは思いますが、茶々を題材にしたドラマを作っても面白いかもしれません。

今回、自分の中でものすごく心酔していた小早川隆景が亡くなります。なるなる前に官兵衛と語っていた昔話に自分も懐かしい思いをしながら少し涙ぐんでしまいました。鶴見辰吾さんの演技もものすごく素晴らしくまたどこかで見たいと思っていたら、大河ドラマが終わってNHK時代劇ドラマの番宣で鶴見辰吾さんが出ていたのでびっくりです。

如水は秀吉のそばに行くことで、天下人に押し上げた自分の責任を全うするのだと今回語っています。ということは、世の中にとって、秀吉が天下になったことによる恩恵も考慮して、何をすべきか官兵衛としては考えていたのでしょう。そう考えると、次回の大陸出兵や秀吉が亡くなった後にどのように後始末をするのか、それが楽しみになってきます。残念なことになる熊之助に打ちのめされるとは思いますが、ラストに向けての如水の動きに注目したいと思います。

◆官兵衛紀行◆
広島県三原市
 - 三原城跡

軍師官兵衛 第43回「如水(じょすい)誕生」

2014年10月 26日 By: rainbow Category: 2014年_軍師官兵衛 No Comments →

まさに今回は官兵衛にとって生きるか死ぬかの瀬戸際の状態でした。この時代においていかに主君から信頼されていようとその命令に背いたとなると切腹は免れないでしょう。現に秀吉はそうした対処をこれまでも行ってきているので、今回も同じ態度を取らないと示しがつかないという面もあったのだと思います。なので、簡単には許してくれないだろうということで、どのようにお許しを得たのか気になっていました。

そして、登城する日がやって来ます。その前までで善助と自分は悪くないというようなことを言っていたので、まずい状況だなと思っていたのですが、秀吉の前に登場した官兵衛は頭を丸め如水円清と名乗って許しを請います。しかも、頭を下げた上で自分の身の潔白を示し、隠居させて欲しいという要望を受け入れさせます。この辺り本当に上手い戦略だったと思います。

その間、ずっと比べるように描かれていた三成の表情は本当にめまぐるしく変わっていて、どう感じているのか途中からよく分からなくなってしまいました。田中圭さんも困ったらにやっと笑うので、視聴者もこれがどのような意図なのか勘ぐってしまうのかもしれません。

この辺りが今回の大きな動きなのですが、秀吉周辺では淀殿が拾を産み、これまで関白であったおいの秀次も危うい状況になってしまいます。官兵衛の助言で自分の娘を拾の許嫁とすることで跡継ぎ問題の収束を図ろうとしますが、淀や光成は秀吉が亡くなった後に撤回するかもしれないという可能性から、もっと確実にしたいと思うようになるのですが、ここまで来ると本当に他人は信用できないというイメージだったのでしょう。こういわれてしまった時点で秀次は失脚するしか道はなかったのです。

そんな秀吉も次回はとうとう終焉を迎えそうです。それでも官兵衛は秀吉のそばにいるような雰囲気の予告であったことから、どのように考えての行動なのかじっくりと拝見したいと思います。

◆官兵衛紀行◆
福岡県飯塚市
 - 西光寺

滋賀県近江八幡市
 - 八幡山城跡