あしたまにあーな

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花燃ゆ 第43回「萩の乱に誓う」

2015年10月 25日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

群馬において徐々にその働きを認められつつあった楫取や美和でしたが、今回問題になったのが教育でした。これまで男子がメインであった読み書きを始めとする教育は、女性にはなかなか浸透していませんでした。結果として、不当な契約行為をさせられてしまうような問題も発生し、美和達はなんとかしなければと立ちあがります。

しかし、何事もそうなのですが、世の中的に常識と考えられていることを覆すのは容易なことではありません。阿久沢せいも言っていましたが、教育を受けている時間があれば、その間に糸を紡いで稼いで欲しいという思いは周囲にもあったのだと思います。それを覆す程のメリットを訴求しなければ、美和達の意見も理想を語るだけになってしまうでしょう。そのあたりの具体的なアプローチが次回ありそうです。

そしてもう一つ大きな出来事として、萩の乱がありました。首謀者とされる前原は、それまでに新政府に対していろいろと進言し、民衆のための政治をして欲しいということを言ってきたそうですが、本人曰くそれが受け入れられることはなかったというのが立ちあがるきっかけとなったとしています。

新政府が具体的に民衆の貧困に対してどのようにアプローチしてきたのかがよく分からないことと、前原が進言した内容が本当に現実的なものであったのがが不明なので、この決起に対してそこまで思い入れはありませんでした。萩の乱の正当性をもう少しだけ説明してあげても良かったのかなと思います。

この戦によって主人公の美和の親族を亡くしていますし、楫取も寿が倒れなければこれに巻き込まれ、県令としての仕事ももうできない状況だったかもしれない大きな出来事であったからこそ、もう少し丁寧な描写が欲しかったと思います。

さて、次回は教育問題にどのように楫取たちが取り組んでいくのかという文化的、政治的な課題に注目されるようなので、楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
山口県萩市
 - 前原一誠旧宅

花燃ゆ 第42回「世界に賭ける糸」

2015年10月 18日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

群馬県令となった楫取が最初に取り組みべき事案は県の主要な産業である養蚕業について現状を把握することにありました。しかし、関連資料の提出を部下に指示してもなかなか手に入らない始末。様々な状況からどうやら阿久沢権蔵がキーパーソンとして関連事業を取り仕切っており、多くの権限を持った人物であることが判明します。しかもこの阿久沢は、個人でも生糸に関する事業を行っており誰よりも早く生糸相場を横浜などの港町から入手していました。こうなると完全に楫取との一騎打ちになるのだろうと思って、阿久沢を演じる江守徹がどこまで悪人のような雰囲気を出しながら、楫取の抵抗勢力として様々な妨害をするのだろうと楽しみにしていたのですが、現実的にはあっけない終わりでした。

それは、楫取のもとにやって来た星野長太郎と、その弟の新井領一?が生糸を直接取引を世界を相手に行いたいという話がきっかけになります。この二人の志はこれまで楫取や美和、そして寅次郎たちと同じであり、この思いを実現させることは大切であると考え群馬県としても支援する方向になります。しかし当初は阿久沢などの反対が当然のようにあったのですが、楫取が直接阿久沢の店に赴き交渉を重ねたことによって、阿久沢も支援することになるのですが、もう少し抵抗した方が乗り越えた壁の高さを実感することができたのではないでしょうか。

一方、杉家では前回までバリバリ元気だった敏三郎が危篤状態であるとの知らせが。急いで帰った美和ですが、そこで最後の力を振り絞って敏三郎は、自分は世の中の役に立てたのか、という自問。この問はまさに自分も強く思っていることで、もの凄く考えさせられました。思いの外敏三郎に対する愛情を脚本から感じ取ることができた一面でした。

さて、次回は前々から不穏な状況だった萩にいる前原がとうとう士族の不満を一手に引き受け、立ちあがります。これに否応なく巻き込まれる美和たち。どのような状況になっていくのか楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
群馬県富岡市
 - 富岡製糸場

群馬県桐生市
 - 水沼製糸所跡

花燃ゆ 第41回「いざ、群馬へ」

2015年10月 12日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

メインが萩から群馬へと流れていくまさに分岐点となった今回ですが、長州では前原が士族の不満を一手に集めて反乱を起こそうとしていました。久米次郎たちもそれに加わり大きな流れになりつつあるとき、中央政府から木戸がやって来て、楫取に群馬県令をお願いしたいと申し出ます。養蚕を国の大きな産業にしたいという思いから富岡製糸場を中心とした群馬の重要性が高まっていたところへの楫取の起用です。

当然楫取は開墾事業に村人と一緒に汗を流すと約束していたことからこれを固持するのですが、最終的には村人からも群馬県令になって欲しいという強い要請を受けて、その地位に就くことを決心します。この辺り、大沢たかおは非常に上手い演技だったと思います。出過ぎず引きすぎず、良い感じで有能な人物を演じているようにみえ、これから最後にかけて中心人物になって行くのにふさわしい役者だなと感じました。

群馬に行く際に久米次郎、寿、美和も一緒に行くことになるのですが、久米次郎は前原の集まりに参加していたため、これから引き離そうとした思いもあったのでしょう。また物語のなかで木戸もいっていましたが、楫取自身も前原達が決起した場合には放置しておけないので巻き込まれて最終的には責任を取らされることになっていたことから、この土地から離れることに対して大きな意味があったと考えられます。

そしていよいよ群馬へ入る一行。いきなり県庁が前橋に置かれていましたが、高崎との争い事があったと理解しているのですが、そのような形跡もありません。物語のなかではその状況は伝えることをしないのでしょうか。そのあたりを含めて群馬をどのように盛り上げていくのか楽しみに見たいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
群馬県前橋市
 - 前群馬県令楫取君功徳之碑