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平清盛 第35回「わが都、福原」

2012年9月 09日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回、とうとう清盛の目指す武士の世の中について明らかになります。これまでのらりくらりとしてなかなか明かさなかったのは、考えがまとまらなかったからなのか、単にタイミングを待っていたのか。いずれにせよ、今回は見逃すことのできない内容となりました。

それは、福原に博多のような大きな港をもつ街にして、ここを都と定める。それは平家の都であり、朝廷の枠組みを超え平家一門の力で、貿易で得た富で国を豊かにする政治をおこない、そして武士の世をつくるとのこと。一門でのみ繁栄を築くという辺りはまだまだ時代が追いついていない感じはありますが、言っていることは現代にも十分に通じるもの。

そのために、頼盛の存在は欠かせないものであると清盛はいいます。途中まで摂関家の言いなりになっていて、どこかで見たことがあるような裏切りにあうのではないかとヒヤヒヤしたものですが、今回は清盛が最後に上手く頼盛を救った形になりました。

今回は、それ以外にも頼朝あたりの状況にも上手く触れており、北条政子が登場し今回最後の最後で接触することに成功します。次回以降は結びつきを強めることになりそうです。

さらに朝廷では、後白河上皇が「今に見ておれ」と野望を燃やしている状況が続いていますが、どのように権力を自分のもとにたぐり寄せるのかがイマイチ分からないまま、上皇による指示が飛んでいたりしてよく分からない指示体系になっているので、もう少しわかりやすく説明が必要なところと言えるでしょう。

次回は、山法師もより存在感を強めて抵抗し、これにすごろくと賀茂川の水が登場したら白河法皇の手に負えない3セットのコンプリートです。どうなるか期待して待ちたいと思います。

◆清盛紀行◆
兵庫県神戸市
 - 平清盛像
 - 雪見御所旧邸碑
 - 湊山温泉
 - 西舞子

平清盛 第34回「白河院の伝言」

2012年9月 02日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

この時代において大病を治すためには、祈るしかないというのがセオリーのようで、この物語のなかでも「宋の薬を用意せよ」となって、手に入らないとなると祈祷をするという流れをいくつもみることができるでしょう。その中で今回は、主人公である清盛が張本人となりました。

たった40分程度のなかで様々な要素を盛り込んでいかなければならないので、非常に大変なのですが、今回も先ほど話の出た清盛の危篤、頼朝の状況、王家といつも通りのラインナップを流さないといけません。なんとなく一つ一つの内容が薄くなってしまった印象を持ちましたが、それでも多くの人に伝えるためにはやむを得なかったのかもしれません。

清盛が危篤になったことによって、これまで隠されていた人々の本当の思いを知ることができたのは大きかったと思います。まずは後白河上皇。実は清盛の鋭い挑発的な視線によって、自分の存在価値と生きる楽しさを得ていたことがわかります。憎まれ口をたたきながらも、清盛のことが好きであったということは改めて分かります。

そしてもう1人が、重盛を取り巻く平氏の人々。盛国のように清盛がいなくなったら自分の生きる意味はないと潔い人もいる一方で、時忠や宗盛のように棟梁という立場に思いを持っている人も登場し、このような状況が平氏の中で不信感となって蓄積されていきます。このような状況は、少しずつ平氏の内部分裂を引き起こすことになるというフラグを今、ここでたてているのかもしれません。

肝心の清盛の危篤シーンですが、内容としてはほとんど割愛してもよかったものでした。視聴者にとって白河院、舞子、忠盛などのやりとりはすべて知っているものでありましたが、清盛が心の中でそれを反芻する形で生還を果たすという内容で、新しい情報はほとんどなかったと考えられます。

といっても、危篤状況から生還を果たしたのは大河ドラマの中であまり多くなく、清盛くらいしか記憶にない状況でした。周辺のキャストも若いままでとても50代には見えません。もうすこし清盛のやりたいことが描かれるということで安心して次回以降も見ることができそうです。

◆清盛紀行◆
兵庫県たつの市
 - 室津港
 - 賀茂神社

平清盛 第33回「清盛、五十の宴」

2012年8月 27日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

平氏の力がものすごく上がっても、周囲にはその権力を良く思っていない人というのはいるものです。その筆頭は後白河上皇ですが、前回清盛とすがすがしく正々堂々と戦うことを宣言し合ってからは、ちょっといいやつに思えてきました。今回は、祇園女御と一緒に今様の稽古の真っ最中。

それよりも今回陰湿だったのは、摂関家の人々でしょう。武士は武力と財力で政治を行っているだけであり、雅が足らない人に政治などできるわけがないと言い放ちます。雅で政治ができるのかという部分については大いに謎な部分ではありますが、寺社の建設など一部の政においては、雅さは重要なファクターと言えるのでしょう。

そんな摂関家の人々と清盛達が挑むのが五十の賀の宴でした。その場で、清盛は今まで誰にも見せることのなかった嚴島神社の修復像を見せることになります。この絵を見ると、今の厳島神社と同じ。清盛がこれまでの慣例を完全にとらわれることなく、斬新なイメージをそのまま寺社の図面に落としたのです。それを今の時代に見ることができるのは、実はものすごく奇跡なのではないかと思えてきます。

清盛の摂関家攻撃はこれで終わることはありません。次に登場したのは忠度でした。髭だらけの顔は、おおよそ平氏というイメージではありませんが、それでも会ってすぐの人に摂関家の人々との歌の相手をさせます。この抜擢が的中し、摂関家の人々はむすっとして帰っていきます。完全に勝利の瞬間でした。

このほかいつも通りの王家のいざこざがありますが、ここでは割愛したいとおもいます。平氏から滋子が入っても、この静かな戦いは変わることなく続いているのが何となく寂しく思ってしまいます。このテーマは終始一貫してしまうほどのこの時代のスタンダードな出来事なのでしょう。

次回は、ふらっときた清盛が大丈夫かどうかがポイントになるでしょう。ちょっと気になりつつ期待したいと思います。

◆清盛紀行◆
広島県北広島町
 - 壬生の花田植

広島県呉市
 - 音戸の瀬戸
 - 宝積寺