今回の企ての全貌は、前回のあらすじでポイントとなる発言をすべて見せられてしまったので、自分のなかでは特に驚きもなく、淡々と頭の中であらすじをトレースするだけで再現することができました。しかし、その中で完全に予想外だったのが西光を演じる加藤虎ノ介さんです。
彼の迫真の演技で、様々な思いや憎しみを今までにないほど臨場感のある演技で見ることができました。その直後に清盛が西光を足で踏みつけたりするのですが、加藤虎ノ介さんの方が迫力には勝っていました。このキャラクターをもっと早くに出していれば、存在感のある人物になったのにとちょっと残念でなりません。
その本題である鹿ヶ谷の陰謀ですが、首謀者と見られる多田行綱を演じる野仲イサオさん。かなりの悪顔ですね。よく時代劇で越後屋などを演じる人が悪そうな人相であることは有名ですが、この方も負けず劣らずそのような雰囲気を醸し出しています。彼が演じる人はきっと色々やってくれるんだろうなと思っていたら、陰謀の企てから裏切りまでこれでもかと言うくらいその道を突き進んで頂きました。きっと最後に密告を受けた清盛も多田行綱を信じられる存在にはならなかったのではないでしょうか。
後白河上皇側もなんとなく盛り上がりに欠け、いつの間にか周囲が捕らえられていきまたひとりぼっちになってしまった後白河さん。そこへ聖子ママがやってきて、優しくすごろく遊びは簡単じゃないのよ、と諭します。この辺りは前回も見たような気がしていて、聖子ママの登場回数が多くなるに従って、うさんくささも広がっていくのは自分だけでしょうか。そろそろこの方の登場回数を減らさないと、よく分からないまま終わってしまうような気がしてなりません。
一方、頼朝と政子も今回無事に結ばれることになります。結婚式の当日に花嫁を奪いさるという、今ではトレンディードラマの世界でしかないような状況を脚本家はさくっと取り入れています。後のことが大変そうだなぁとそればかり思ってしまう自分。きっと政子パパは激怒するんでしょう。それをどのように説得していくのか、次回を楽しみにしたいと思います。
◆清盛紀行◆
京都府京都市
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