2011年の漢字は「絆」
毎年恒例になっている「今年の漢字」が日本漢字能力検定協会より発表され、京都・清水寺の森清範貫主が舞台の上で大きな和紙にその漢字を書き示しました。
選ばれた漢字は「絆」です。この漢字は今年をよく表している漢字だと思います。3月11日に発生した東日本大震災を契機に、改めて家族や恋人、仲間といった人々が自分にとってかけがえのない大切なものであると再認識させられた年は、これまでになかったものでしょう。お互いに知らない人であっても、同じ境遇であったり、心から何かをしたいと思う人々は日本だけでなく、世界中が絆という1つのつながりができました。
さらに、サッカー女子ワールドカップで日本代表のなでしこジャパンが優勝しチームとしての絆が深まったり、中東の民主化で、ソーシャル・ネットワーキング・サービスによる人の絆が注目を集めたことなどが、「絆」を1位に押し上げる有力な理由となったといいます。
2位以降には、比較的震災に直結した内容となっていることから、その中でも人間の、そして日本人の心温かさを映し出す漢字が1位に選ばれたことは、さいわいだったのではないでしょうか。このような前向きの漢字が来年以降も選ばれる年にしたいと心から思います。
以下、2011年の「今年の漢字」1位から10位までを紹介します。
1位 「絆」
2位 「災」
3位 「震」
4位 「波」
5位 「助」
6位 「復」
7位 「協」
8位 「支」
9位 「命」
10位 「力」
過去の「今年の漢字」(漢検ホームページより)
1995年 「震」 (阪神・淡路大震災やオウム事件などに「震」えた年)
1996年 「食」 (O-157事件や税金と福祉を「食いもの」にした汚職事件の多発)
1997年 「倒」 (山一證券などの大型倒産、強豪倒してサッカーW杯初出場)
1998年 「毒」 (和歌山カレー毒物混入事件や環境ホルモンなど“毒”が問題に)
1999年 「末」 (世紀末、「世も末」な事件の多発)
2000年 「金」 (シドニー五輪の金メダル、朝鮮半島の「金・金」首脳会談など)
2001年 「戦」 (米国同時多発テロの発生、世界的な不況との“戦い”)
2002年 「帰」 (北朝鮮から拉致被害者が帰国、リバイバルブームなど)
2003年 「虎」 (阪神優勝や「虎の尾をふむ」ようなイラク派遣問題など)
2004年 「災」 (台風や新潟中越地震、記録的な猛暑、凄惨な殺害事件の発生)
2005年 「愛」 (紀宮様ご成婚、愛・地球博の開催、各界のアイちゃん活躍)
2006年 「命」 (悠仁様のご誕生、いじめ自殺や飲酒事故など命の重み痛感)
2007年 「偽」 (食品偽装や政界・スポーツ選手まで「偽」が発覚)
2008年 「変」 (世界経済大変動、日米政治変化、生活環境の変化、気候変動など)
2009年 「新」 (新内閣発足、イチロー新記録、裁判員などの新制度、新型インフル)
2010年 「暑」 (夏の全国の平均気温が観測史上最高、チリ鉱山事故で暑い地中から生還)
【参考】
・YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111212-OYT1T00581.htm
こころの水 (2011/12/05) 森 清範 |
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