2013/02/03
Category: 2013年_八重の桜
主人公である八重の登場シーンはさほど多くなく、かつての幼なじみとほんの少しだけラブラブな雰囲気を醸し出しているくらいは、日々の家事仕事に追われる毎日が描かれています。今回はその八重の状況よりも周囲の状況の変化の方が比較にならないほど大きいものでした。
一つが、題名にもなっている吉田松陰が有名な安政の大獄で処刑される場面。小栗旬さんが熱演をしている松陰も今日で見納めかと思うと寂しい気もしますが、ナレーションでもあったように世の中が動き出している中で、松陰のような背中を押してくれる存在は、これまでの世にはてなマークがついていた人々を勇気づけ、一つの方向に導いてくれます。今回は登場していないのですが、数年前の坂本龍馬で出てきた高杉晋作などもその1人といえます。
もう1人がその安政の大獄自体を主導した井伊直弼が桜田門外で暗殺されます。今回は、八重自体には変化がないのですが、兄である覚馬の奥さんであるうらに起こる出来事などを見てみると、なんと恐ろしい時代なのだろうと考えてしまいます。何かを変えなくてはならないと正義の道を模索した結果、人をあやめてしまう状況の理不尽さを感じざるをえません。いい見方をすれば、世の中を変えるために必要な手段であると考えることも出来ますが、その逆の考え方も一方であるような気がします。
これまでの幕末ドラマの中であまり登場することのなかった会津藩を上手く表現できており、藩主である容保の存在感はかなり新鮮に映ります。そういう意味で今回のような表舞台で大きな出来事があった場合には、そちらに描写を注力し、本編を控えるという演出はさすがであると思います。それによって、視聴者に時代背景や状況という下地を共有できるようになるのではないでしょうか。
次回は、会津藩としての重要な立ち位置が求められる内容となり、さらにその下地を強固にしていくものとみられます。その中で徐々に八重が表舞台に立つための準備が描かれるとよりいい楽しくなるのではないかと期待して待ちたいと思います。