八重の桜 第3回「蹴散らして前へ」
始まって3回目を迎え、ようやく物語としても落ち着いてきてストーリーの組み立て方が分かってきたように感じます。八重の周辺、会津藩の様子、そして世の中の動向という3部構成で成り立っていて、今はまだ大きな変化がない八重の周辺を他の2つの内容で補っているという構図を見て取ることができるでしょう。これは、過去にさかのぼってみると篤姫などと同じ手法であることがわかります。
まず八重の周辺ですが、いずれ重要な関係になる尚之助との出会いを果たします。思いっきりベタな状況ではありましたが、そのあたりは演出の方法ということで深く考えないようにします。八重としては尚之助に笑われていると初めはネガティブな印象を持ちますが、結果的にその後に褒められ良い雰囲気に。幼なじみも登場しますが、完全に敗北宣言をしたような感じになってしまいます。傘だけ置いて逃げるように立ち去る姿を見ていて何とも甘酸っぱい気持ちになりました。
そんな八重は砲術以外にはあまり興味がないようで、裁縫など全然出来ないのですが、兄である覚馬は砲術以外にも様々なことができる人物でした。「若い者は急ぎすぎていけない」と周囲の上の者からも言われていましたが自分が師として仰ぐ佐久間象山からは「蹴散らして前へ」と言われていることもあり、言いたいことはガンガン言って、先に進もうとしますが、とうとう外出禁止の処分になってしまいます。
柳沢慎吾さん演じる萱野権兵衛のように嫌なやつ前回で接してくる人が多い中、西郷頼母だけは優しい言葉やアドバイスをしてもらいます。この辺りのベテランの演技は本当に素晴らしいですね。物語に登場するベテランはさすがで、風吹ジュンや松重豊などは、見ていて安心し演技であることを見ている側に忘れさせてくれる雰囲気を醸し出しています。大河はやはりこういう人を重要なところに配置しないといけないと改めて感じます。
毎日ボーッと過ごす覚馬を目覚めさせるのも、予想通り八重でした。この辺はまさに平清盛で伊豆に流された頼朝に対して政子が立ちあがらせたのと同じような場面といえます。何年も大河ドラマを見ていると、「これ、どこかで見たことあるような場面だな」と感じる事も多くなるのかもしれません。
次回から息を吹き返した覚馬を中心に、会津藩としても八重としてもどんどん飛躍していくようなストーリーになることでしょう。その時が楽しみです。
しかし、前回まで登場していた八重の子役である鈴木梨央さんがいなくなったのは、なんだか寂しいですね。言い演技をしていただけに、残念です。加藤清史郎くんのようにまた登場するかもしれませんね。
◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
- 日新館
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