平清盛 第7回「光らない君」
前回が出だしの大きな見せ場だったとすると、今回はその後にきた静かで次の大きな出来事への地ならし的な内容であったように思います。その次の大きな出来事とは何なのか分かりませんが、女性問題が大きく発展していくのではないかと思えるような予感をさせるものとなっていたような気がします。
まず序盤戦のサプライズは、今まで清盛を支えてきた漁師の鱸丸が、盛康の養子となって平盛国と名乗ることになったことでしょう。一漁師がここまで露出しているのは何でだろうと不思議だったのですが、これで納得がいきます。これから上川隆也さんは、汚れた格好ではなく武士としてきりっと登場することになるので、彼のファンの人は喜ぶことでしょう。
その後は、ほぼ一貫して清盛の女性関係の話となりました。まず始めに登場したのが、時子です。源氏物語をこよなく愛する彼女は、今の女子学生にありがちな夢見る少女でした。将来白馬に乗った王子様が現れると信じてきたのですが、その妄想を邪魔したのが清盛。幻滅すると共に、嫌悪感すら漂ってきます。こんな初めての出会いが最悪な人同士は、後でそのギャップを生かして恋愛に発展するフラグであることが多いのですが、ここではまだまだそんな話も聞こえてきません。
清盛が次に出会ったのが、高階基章とその娘の明子でした。街の中で転んでいた親子を助けるという、何ともありがちなシチュエーションな訳ですが、以前からあった清盛と高階通憲の事もあり、急速に話が盛り上がりやがては清盛も心を奪われていくことになります。
ここからは、何となく現代のありがちな状況をそのまま大河ドラマに導入しているように見えてきます。例えば、自分で告白することができない草食系男子が、イケメンの友人に代わりにラブレターを書いてもらうことをそのまま導入してみたり、与えられた身分の違いなども乗り越えてみせるという逆境から生まれた恋愛感情など、それはそれは数多くラブストーリーに出てきそうな状況が続きます。
前回までの骨のある内容から一変して、このようになってしまったのは不思議で仕方ありません。脚本を書いた人が変わってしまったのではないかと思えるほど。まるで前回のドラマの脚本を彷彿とさせます。大河ドラマで恋愛を描くのは、本当に難しいことなのかもしれません。下手をすると安っぽいドラマに簡単に見えてしまうのですから。
忠盛から結婚を許される清盛と明子なのですが、これによって格式の高い相手を探そうとしていた藤原家成の顔にも泥を塗る始末。これによって、忠盛の公卿入りも平氏自体のプレゼンスも大きく影響を受けていくことが想定されます。それを乗り越えて本当に清盛は平氏を盛り上げていくことができるのか、そんな課題を持って次回からの内容を楽しみにしたいと思います。
◆清盛紀行◆
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