相手のグチを上手に受け止める秘けつ
人間は誰でもグチをこぼしたくなるときがあります。自分の思うように事が進まないとき、相手から心許ない言葉をかけられたとき等に直接関係ない人で信頼できる人に「ちょっと聞いてくれる?」と思っていることをぶちまけるのです。
このグチですが、ぶちまける方としては案外気楽なもので、聞いてもらう相手に対して何か意見をして欲しいと思って言っているのではないことが多いのです。とにかく聞いてもらいたい、そして自分の思いを理解して欲しい、というように自分の味方になって欲しいという強い願いが裏には隠されています。不思議なもので、自分の思っていることをすべてぶちまけてしまった後はかなりスッキリとして、平常心を取り戻すことができます。
むしろ、この場面で重要なのはグチを受け止める方にあります。決して相手のグチを受け止めることは楽しいことではなく、気分が滅入ってしまうこともあるのですが、決して「それはあなたも悪いんじゃないの?」「もっとこうしなきゃダメだよ」というように意見はしてはいけません。上述のようにグチをこぼす人は答えなど望んでいないのですから。
その上で、「わかるわかる」「自分も同じようにすると思うよ」と共感や同情の気持ちを持って接し、相手にどんどん話をさせることが大切です。さらに相づちの中で臨機応変に相手を褒めてあげるようにするともっといいでしょう。
例えば「よくそこまで我慢したね」「でも、そんな風に思えるのはさすがです、すごいですよ」といってあげるといいと思います。それによって相手は自信を取り戻し元気になれるでしょう。
人間関係はギブ・アンド・テイク。自分がグチを聞く側から話をする側に立つ時も必ずやってきます。そのときのために、グチを気持ちよく聞いてあげ相手との良好な関係を作ることによって、自分も結果的に救われることになるのです。
【参考】日経Plus1 2010/07/17
あいさつ&スピーチ 言葉につまらずに話す技術 (2010/03/09) 今井 登茂子 |
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