天地人 第43回「実頼追放」
今回は、久しく語られることがなかった上杉の正しい「義」の考え方について実頼という存在を通して教えて貰ったような気がします。これまで、曲がったことはせずに自分たちが正しいと思う道こそが義なのではないかと思っていたときもありましたが、それは兼続に言わせると全然違っていたんですね。そのことを上杉の主君である景勝ではなく兼続を通して知ることになります。
実頼も少しかわいそうな気がしますね。自分でも上に書いたような考え方をしてしまうのに、それをきちんと説明を受けずに自分が決めたことだからと兼続に言われて納得するしかありませんでした。泉沢などとは違って実の兄弟であるがゆえに、言いたいことは言ってしまったのがキズとなってしまいました。上杉に謀反の考えがあると榊原は家康に進言し話が進みますが、直接家康が処理しなくて本当によかったです。そうなっていれば間違いなく上杉家はさらなる減封かお家取りつぶしになっていたかもしれません。
兼続の必死の対応が実を結び、なんとか穏便に婚儀が進むことになり、実頼の命は助けられ高野山へ追放となります。実頼は始め反発しますが、最終的には行った先の高野山で真田幸村に出会ったりしながら、自分一人で生きているわけではなく、みんなに助けられながら生きていることを実感したようです。反発していたとしても最終的にお互いがわかり合える存在になれたことは幸いでしたし、見ている方も気持ちよく見ることができました。このように兄弟や親子など近い存在は、遠く離れる時もある方が結果的にお互いを大切に想い、尊敬しあうことができる存在になれるのかも知れないなと感じます。
徐々に、米沢という街を発展させる方向へ話がシフトしていき、桜井たちが開墾地をうまく成功させ、訪れた兼続たちに大根をわけていたのが印象的です。「すばらしい大根だろ」と振り上げた大根ですが、少し曲がっていて小さかったのが気になり、「もう少し大きいのを選べばよかったのに」という場面もありましたが、武将がこのように農民になって田畑に実りをもたらす様に、今後もこの地が潤ってくれるといいなと願わずにはいられません。次回からは本多政重がやってきてどのように上杉にとけ込んでいくのかが楽しみです。
□■天地人紀行■□
和歌山県高野町
高野山
伊達政宗供養塔
織田信長供養塔
明智光秀供養塔
武田勝頼供養塔
金剛峯寺
上杉謙信位牌
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