名ばかり管理職の位置づけ
十分な権限や裁量もないのに管理職として扱われ、残業手当も支給されないまま過酷な長時間労働を強いられる「名ばかり管理職」が社会的に大きな問題になってきています。
コンビニやファミリーレストラン、先のハンバーガーチェーンなど入社間もない社員が店長に抜擢され、人手不足の中で長時間労働を強いられるケースが非常に多いといいます。
法律が定める管理職の条件は、以下の3つとされています。
「経営者と一体的な立場」
「労働時間を管理されない」
「ふさわしい待遇」
マクドナルドの店長の場合は管理職かどうかが争われた裁判で、東京地裁は「店長は3条件を満たす管理職にはあたらない」と判断されました。
確かに、3つとも満たさないと管理職と言えないというのであれば、見方によっては全ての管理職が経営者になってしまうことにもなりかねません。
曖昧な表現のままな法律は、人々や企業を混乱させるだけです。この法律が不明確であるために、企業は誤った判断をしてしまい、コスト削減が求められる中で人件費を削減するために管理職を多く登用してしまうのかもしれません。
自分で人事権をある程度持つことができ、人的なバランスを自分のコントロール下におくことができること、そして役職にあったような賃金を得られること、それが明確化されるべき内容なのではないでしょうか。
管理職のための人事・労務の法律 (1999/11) 安西 愈 |
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