今回は、何となく心温まる内容であったような心地よい雰囲気でした。それは、今回の主題である長崎での覚馬の状況もあったのかもしれません。長崎で銃の買い付けを行っていた覚馬は初めは西洋人に対して快く思っていませんでした。ところが、1人の女の子が父親である商人と話している様子を見ると、同じ人間なんだと思い直し頭を下げて交渉を再開させます。
目がどんどん見えなくなっていく中においても、自分を見失わずそして謙虚な姿勢で誰かの助言を受け入れる感受性があるからこそ、覚馬という人物が魅力的で人望があつくなるのだと思います。帰りに、新式のスペンサー銃を商人からもらい、それを会津にいる八重のもとに送ります。
送られた山本家では、銃よりも覚馬に帰って来て欲しいのですが、容保が帰ることができないのに覚馬だけが帰るなんていうことは出来るはずもありません。おそらくほとんどの人がそういう判断をする場面ではないでしょうか。これで、うらのご機嫌がまた悪くならないといいのですが・・・
孝明天皇亡き後、京を中心に倒幕の流れはもはや止めることが出来ない大きな激流となりつつあります。この状況下で、京にとどまることはそういった激流に飲み込まれメチャクチャになることを意味するのですが、慶喜は執拗に容保に京に残るように指示します。
慶喜がだんだん悪者に見えてきてしまうのですが、本来であればなにか意図があって判断していることなのだと思いますが、この物語のなかではそれをうかがい知ることが出来ません。このまま大政奉還をして、静かに表舞台から消えてしまったら本当に視聴者に悪者扱いされて終わってしまうことでしょう。どこかで挽回するチャンスを与えてほしいと思います。
次回は、尚之助と八重の諸国漫遊記になりそうで、会津が置かれた状況をしることができそうです。今後の会津の危機に向けて、なにを収穫として持ち帰ることが出来るのか、それをしっかりと確認したいと思います。
◆八重の桜紀行◆
長崎県長崎市
- 養生所趾