八重の桜 第15回「薩長の密約」
物語の始まりは、久しぶりの登場であるオダギリジョーが演じる新島七五三太でした。日本に帰ってきたのかと思って見ていると、どうやらそれは違っていてボストンに到着した様子。南北戦争の状況も今回の大河ドラマの中でやっていて、大変だったろうなと思っていたのですが、それが伏線になっていました。これを見ていると、大河ドラマで南北戦争を通じた人間模様をやっても面白いんじゃないかと思えてきます。やはり多く兵が戦っていると思わせるようなスケールの大きい騎馬戦の様子を描くのは難しいんだなと実感してしまう演出ではありましたが、それでもこの戦争にいたるそれぞれの思いというものはあったんだろうなと興味が湧いてきます。
そんな物思いにふけっていると、まさにここ数年の大河ドラマで登場していた人物が次々と登場するシーンがやってきます。桂小五郎、坂本龍馬、西郷吉之助、大久保一蔵など、着々と薩長が手を結んでいく様子は、会津という幕府側から見たときに、本当に予想外の出来事だったことがわかります。京の街を警護する会津は、幕府の兵が緩みきっている様子を見て不安を感じ、さらに容保はかつて孝明天皇からよくして貰っていたので、裏切ることはできないと、逆に鎖のように京に縛り付けられてしまいます。
その幕府も今や全く統制力が無くなってしまい、篤姫で登場した家茂の状況以上に今回の演出は頼りなく描いており、西郷でなくても「もう徳川家はだめかな」と思ってしまうのは致し方ない状況でした。そんな中、家茂が亡くなり慶喜が徳川宗家を継ぐことになり、天皇の前で長州を打ち破ると宣言してプレゼントまでもらったけど、その数日後に長州と戦わないで和議を結びたいと言い出します。
最後のナレーションで、慶喜は二心があってそれは聡明な故であると言っていましたが、そのあたりは視聴者から見るとよく分からない部分でしょう。どうしてそういうジャッジをしたのか、それを次回慶喜自身からきちんと説明してくれるべきで、そういう演出であるといいなと思います。
一方会津では、前回までで八重の結婚話が一段落し、今回は覚馬の妻であるうらが中心。早く帰ってくると思っていた旦那様が全然帰ってこないので、一人娘のみねに厳しくあたるようになります。子供にとってもこれはたまったものではありません。運悪く大火事が発生し、一生懸命いなくなったみねを捜す山本家。
次回は無事に見つかったみねを通じて、うらが優しさと穏やかさを取り戻すと共に、何らかの教訓を視聴者に訴えるのではないかと予想しています。さて、その通りになるか次回を楽しみにしたいと思います。
◆八重の桜紀行◆
京都府京都市
- 東本願寺
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