山のトイレの仕組み
徐々に暖かくなり、登山をするのにも絶好の季節となって来ました。山にある山小屋や山荘には地上で食べることができる様々なものが置かれていて、食事も意外に豪華であることに驚かされるのですが、その他山に入ったときに不安になるものにトイレの存在があります。
山にあるトイレは、地上にあるようなきれいで清潔なものを望むことは難しいのですが、それでも欠かすことができません。気になるのはどのように糞尿を処理しているのかということ。そこで今回は山のトイレはどのようなものがあるのかについて見ていきたいと思います。
山のトイレは大きく、生物処理式、自然浸透式、持ち出し式、携帯トイレ4つの方法がとられています。それぞれの特徴について見てみましょう。
1. 生物処理式
便器の下におがくずやそば殻を入れておき、それを適温で温めます。水分は吸収され蒸発しますし、糞はおかくず内のスクリューでかき混ぜられ、中に含まれる微生物によって二酸化炭素と水分に分解されます。
ほとんど何も残らなずに処理することができるメリットもありますが、比較的涼しい山ではヒーターなどで常に温める必要があるため、電気が必要となります。電気を引けない場合には、自家発電をすることになります。
2. 自然浸透式
急にトイレのない場所でもよおした場合には、沢から離れたところに深さ10cmから15cmの穴を掘って、そこにしたあとに埋め戻す方法もとられます。これでも土の中の微生物が1週間ほどで分解してくれるといいます。
ただし、このとき水に溶けないティッシュペーパーは決して使わずに、トイレットペーパーを利用することを忘れてはいけません。ティッシュペーパーだとそのまま土の中に残り続けてしまいます。
3. 持ち出し式
便器の下にタンクをおいて、そこに貯め、ヘリコプターなどで持ち出します。確実で設置するのに費用はかからないのですが、定期的にヘリコプターを飛ばす必要があり、ランニングコストは莫大になってしまいます。その結果、垂れ流してしまい環境問題になったという事例もあります。
4. 携帯トイレ
市販の携帯トイレを携行し、そこにして下山してから廃棄する方法もあります。山の中には携帯トイレで用を足すための小部屋を作っているところもあるそうです。
環境のことを考えながらも、以下に手軽にコストをかけずにトイレを設置できるかが、設置する側も苦心しているところなのです。自分たち利用者としては、自分の行為が山に負担をかけていないか振り返ってみることが求められるのではないでしょうか。
【参考】be on Saturday 2012/04/28
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