秋に流行る「褒め上げ商法」に注意
「あなたの作品はすばらしい!」
「文芸書に掲載しませんか?」
「展覧会へ出品しませんか?」
このように自分のことを褒め上げてくれるのは出版社の方でも、関係者でも知り合いでもありません。見ず知らずの相手で、しかもそれは、「褒め上げ商法」と呼ばれるれっきとした悪徳商法なのです。近年被害者が急増しているそうで、もしも知らないという人がいるのであれば、要注意です。
「褒め上げ商法」とは、俳句、短歌や絵画などについて文芸書への掲載や展覧会への出展を促し、強引に高額な契約を迫ろうとするものです。「あなたの作品は素晴らしい」「有名な評論家の先生があなたの作品を絶賛しています」など言葉巧みに作品を賞賛することによって、一般人をその気にさせます。文芸書や展覧会へ出品をする代わりに、高額な金額を料金として徴収するのです。
「褒め上げ商法」の名付け親である東京都では、平成21年度には181件、平成22年度には210件の苦情や相談が寄せられるようになり、その7割近くは60歳以上の高齢者だといいます。文化的な作品をたしなむ人の年齢層が比較的この部分に集中していることから、被害者も同じところになってしまうものと考えられます。
このような悪徳商法にはありがちなのですが、契約を一度結ぶと同様の勧誘が他社も含めて短期間に次々と入ってくるようになります。最初は無料と説明されていても安心できません。後から莫大な請求がくるケースもあるそうです。
芸術作品の製作がはかどる秋になると、この手口も増加するとのこと。他の人から自分の作品をほめられると誰もが嬉しい気持ちになります。それにつけ込んだ悪質な商法なので、おいしい話がきてもしっかりと相手を確認し、金銭の授受を行うようにしないといけません。
こんな事例が多発していること、そのことが脳裏のどこかにインプットされているだけでも、いざというときに違った対応ができるのではないでしょうか。そういう意味で、一人でも多くの人が手口を把握してほしいと思います。
【参考】Techinsight http://japan.techinsight.jp/2011/09/szk1109052252.html
悪質商法のすごい手口―ここまで巧妙ならみんなだまされる!知っておきたい被害の実態と対処法 (2009/04) 国民生活センター |
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