クラウド型音楽配信サービスの行方
インターネットを利用して、利用したいサービスを自由に使うことができるクラウドコンピューティングが本格的な普及期に入り、一般ユーザもその恩恵を受けれるようになってきました。クラウドを利用すると、自分の環境にソフトやハードを用意しなくても、インターネット上のサービスを利用することによって、気軽に利用することができるようになります。
このクラウドコンピューティングを利用した音楽配信サービスがアマゾンやグーグルなどのアメリカで本格的にサービスを開始されています。クラウド型では購入した楽曲を企業のデータセンターで保管し、利用者は聞きたいときにネット経由でパソコンや携帯電話にその都度取り込むことによって、音楽を聴くことができるようになります。
これによって、パソコンや携帯電話の記憶容量を気にすることもなくなり、どの機器を使っていても簡単に音楽を楽しむことができるようになります。
本来、自分が購入した音楽は再生するプレイヤーに依存するものではなく、購入した個人によってのみ制約を受けるべきだと思います。携帯電話にダウンロードした着メロや着うたなどは、通常機種変更した場合には他の端末で再生することはできません。こういった制約もクラウド型音楽配信サービスによって解決することが望まれます。
すでに写真などを保管するサービスのクラウド化は進んでいて、インターネット上のストレージサービスを利用しているという人も多いでしょう。そんな写真と音楽が異なるのは、権利という問題です。楽曲には様々なステークホルダーがいて、権利関係も複雑です。さらに、端末の間で自由に使えるようになるとCD自体の売り上げが今よりも減ってしまう可能性もあることから、レコード会社も慎重な姿勢を崩さないでしょう。
そう考えると、日本でクラウド型音楽配信サービスが実際に開始されるのはもう少し先のことになるものと見られます。携帯電話と音楽プレイヤーなど複数の端末を持つようになってきた今日、自分たちは当面の間、各端末ごとに音楽を購入したり、mp3ファイル化して持ち歩くことになりそうです。
【参考】日本経済新聞 2011/08/01
米国クラウドビジネス最前線 (2010/09/30) 森 洋一 |
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