マイボトルやマイカップを持く先にあるもの
最近、会社の中を見渡すと家からコーヒーなど入れたマイボトルを持ってきている人を多く見かけるようになりました。その一人に聞いてみると、その方が安く抑えることができるという経済意識から多少持ち歩きが重くなっても、実践しているといいます。
今、環境省では水筒やタンブラーなどマイボトル・マイカップの使用を呼びかけて、ゴミや環境負荷を減らすことを目指す「マイボトル・マイカップキャンペーン」を実施しています。この運動では、「環境負荷を低減させるため」という理由だけで推進するのではなく、協賛してくれる企業から「何かいいこと」が提供される側面もあるということから、キャンペーンは広がりつつあるとのこと。
こうした状況を見てみると、改めて環境問題はそれを実践するモチベーションを、いかに身近な問題に落とし込むことができるかが重要な鍵を握っているかを再認識させられます。
人は地球環境が温暖化になり、今後の生活に支障を来す可能性が高いことを十分に認識しています。最近のとあるテレビでも、北海道の霧の名所である摩周湖付近で発生する霧の年間発生回数が減少している状況を温暖化によるものではないかと推測していましたが、数十年レベルで徐々に現れる事象でもあります。
しかし、それを危機的な状況だとして、自分たちが今得ている便利な生活をすぐに手放す動機に直結し、大多数の人が同じ方向を向くためには、もう少しだけ工夫がいります。それが、身近ないいことに結びつけるという考え方。例えば、スーパーでレジ袋を断るともらえるエコポイントのようなものがそれに該当します。
こういった、目の前にあるいいことを体験し、ちょっとだけいいことをした気持ちになれるとともに、お得でもある、さらにそれが将来的に自分たちの子供たちのためにもなるという流れを多くの場面で構築してあげることが求められているのです。
そういう意味で、「マイボトル・マイカップキャンペーン」は自分で持ち歩いているボトルやカップをお店で出すことによって、安くなったり、量が多くなったり、通常はない味を楽しめたり、といった特典を感じることができることから広がりを見せているのだと思います。
このようなお得の先にある環境負荷低減施策が、もっと他の分野においても広がるように仕掛けていければいいと思います。例えば、スーパーに容器持参で刺身やフライを購入したら増量してくれる、自転車や公共交通機関を使うとエコポイントが付く、といったものが挙げられます。こうした取り組みの向こう側に、多少不便でもみんなが納得して自ら行動できる世界が待っているではないでしょうか。
【参考】環境goo http://eco.goo.ne.jp/news/ecotrend/ecotrend_20110707_354.html
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